2019年9月14日土曜日

意義を増す「地域福祉計画」の策定~2019年第2回定例市議会一般質問③



〇野村淳一議員

 次に、紋別市地域福祉計画の策定についてお尋ねします。

 平成27年度に策定された第3期の紋別市地域福祉計画は今年度を最終年度とし、新たな計画策定に向けた取り組みが必要になっていると考えます。

 地域福祉計画は、高齢者福祉、障害者福祉、子育て支援といった従来の縦割りの福祉から、住民と行政が一体となって支え合う総合的な地域福祉を構築することを目的とした事業計画です。

 しかも、この地域福祉計画は、昨年の社会福祉法の改正により各福祉分野の個別計画、障害者福祉計画、介護保険事業計画、障害者計画、障害福祉計画、子ども・子育て支援事業計画などに対しての上位計画として位置づけられたのです。

 それだけに、次期の紋別市地域福祉計画の策定事業は一層重要になると考えます。

 そこでまず、現計画における取組状況とそれへの評価及び課題について、それぞれどのようにお考えかお尋ねします。

 少子高齢社会、貧困と社会格差の拡大など社会構造は大きく変化し、一層複雑で混沌とした社会状況が進行しています。

 強い者はますます強くなり、弱い者はますます排除され孤立を深める、不寛容の時代が息苦しさをますます強めています。

 そのもとで、誰もが安心して住み続けられる地域社会と地域福祉をつくり上げることが極めて重要です。

 誰をも見捨てない、誰をも置き去りにしない、そのために行政としての責任を果たし、住民の参加と協働を促し、ともに支え合う地域社会をどう構築するのか、これこそ次期計画に課せられた重要な課題ではないでしょうか。

 8050問題と言われる、いわゆるひきこもりなどへの対策、縦割り福祉を解消する共生社会の創造、LGBTなどジェンダー差別への対応と対策、若年層にまで広がりを見せる自殺問題、そして生活困窮者への支援と子供の貧困対策、さらには虐待防止と権利擁護の取り組みなど今日的な課題に対し、これまでとは違う角度での一歩踏み込んだ対応と対策が求められ、その取り組みが必要となっているのです。

 文字どおり次期の第4期地域福祉計画が、紋別市の地域福祉の総合的な上位計画として策定されることを強く期待するものです。

 そこで、計画策定に向けどのように取り組まれ、どのように進められるのか、対応についてお尋ねします。

 また、次期計画の主な内容、特徴点はどのようなものとなるのでしょうか、お考えをお聞かせください。

【 答弁 】

〇宮川良一市長

 次に、地域福祉計画の策定についてであります。
 現計画の取組状況といたしましては、健やかに暮らせる仕組みづくり、市民が共に支え合う地域福祉社会づくり、適切な福祉サービス等を利用する仕組みづくり、安全・快適な生活環境づくり、生活困窮者の自立を支える地域社会づくりの5つの基本目標のもと、さまざまな施策及び事業を展開しているところであり、評価及び課題につきましては、現在洗い出しを進めております。

 次期計画の取組状況といたしましては、庁内関連部局及び外部の保健、医療、福祉、教育関係団体等によって構成する委員会を設置し、現計画の検証結果を踏まえた上で、上位計画として各福祉分野の調整を行い、包括的な支援体制を整備する形で計画に盛り込めるよう委員会に諮ってまいります。

 また、次期計画では、住みなれた地域で自分らしく暮らしていけるよう、地域住民等が支え合い、一人一人の暮らしと生きがい、地域をともにつくっていくことのできる地域共生社会の実現を目標に掲げることを特徴にしたいと考えております。

【 再質問 】

〇野村淳一議員

 地域福祉計画についてです。
 実は私、正直言って余り地域福祉計画、これまで第3期まであったんですが余り関心持ってなかった、表現悪いですが。曖昧、ばふらっとした印象があったんです。

 しかし、今回、上位計画として位置づけられたということで、ちょっと私改めて関心を持って調べました。

 そして、非常に今日的で極めて重要な地域福祉計画になるんだなということを改めて実感をしました。

 いろいろご答弁がありました。私も質問で述べましたが、各個別計画を横断するような内容、あるいは制度のはざまと言われている、なかなか今まで表面的に出てこなかった問題も含めてこの地域福祉計画ではきちんと取り上げて作成されるというふうな捉えでよろしいんでしょうか。

○大平一也社会福祉課長

 お答えをいたします。
 まず、大きい理念としまして地域共生社会の実現という部分を掲げまして、次期計画につきましては、さまざまな個別計画を共通理念で結ぶ取り組みや市民参加に関連する施策を中心とした計画にしたいということで、包括的なつながりのある上位計画としたいと考えてございます。

○野村淳一議員

 今、社会的に関心がある出来事なので、次期計画にも具体的に盛り込まれると思いますのでちょっとお聞きしたいのが、いわゆる8050問題と言われるひきこもりの問題だったんですが、次期計画にもこの問題はしっかりと位置づけられるのかなというふうに思っていますし、そうしていただきたいんですが。

 80代のご両親、介護か何かで第三者が入る、そのときに大体50代ですね、家にいる、いわゆるひきこもり状態ということがだんだん問題になってきています。

 社会的な関心も高まっています。次期計画との関係も含めて、このひきこもり状態と言われるのを今どのように把握し認識しているのか。わかればで結構です。それに対する社会資源というのは今どうなってるのか。これもわかればで結構です。わかる範囲でお答えいただければと思います。

○大平一也社会福祉課長

 お答えをいたします。
 ひきこもり対策につきましては、今、社会問題となっておりますが、ひきこもりの方を把握するという部分で大変難しい部分があるというふうに感じてございます。

 それで、ひきこもりの方にどう対応していくかという部分につきましては、やはり一番身近にいらっしゃる地域の民生委員さんとかそういう方々と連携をともにして、情報を密にしながら、ひきこもりの方への対策については、社会福祉課だけではなくいろいろ関係する部局がございますので、さまざまな部局と連携しながらひきこもりの対応については、今後対応してまいりたいと考えてございます。

○野村淳一議員

 昨年、政府も、今までひきこもりと言うと若年層の対象が多かったんですが、中高年のひきこもりを全国的に調査をしました。推計で60万人を超えているんだろうという数字です。

 若年層のひきこもりの割合、そしてその中高年のひきこもりの割合を紋別市に当てはめると優に100人を超えるんす。

 それぞれに個別の事情があってそれぞれ個別に環境が違うので、全部をひっくるめてひきこもりなんて表現でいいのか、妥当ではないと私も思います。

 それぞれにそれぞれの支援が必要なんです。ただ、社会福祉を担当する皆さん方にとってみたら、潜在的に紋別にはこの程度の、場合によっては可能性があるんだということを頭に据えて、そしてこれからの計画づくりをしていかなきゃならないんですね。

 だからそのためには、私は相当の力を入れた取り組みが必要になってくるというふうに思っていますので、ぜひこれは、私もつい最近若者サポートステーション、サポステのほうにも顔を出していろいろな話を伺ってきました。

 いろいろと社会資源で頑張ってる方々もいらっしゃるので、ぜひ協力をしていただければというふうに思います。

 これもまた改めて計画が煮詰まってきたら取り上げたいと思います。ありがとうございました。



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