先日、ドキュメンタリー映画「世界が食べられなくなる日」を見てきました。
そこに描かれているのは“遺伝子組み換え”と“原子力”の暴走するテクノロジーの世界です。
これが現実だとしたら、いや現実だからこそ、我々は直視しなければならないのだと強く感じました。
この先にどんな世界が待っているのか? どんな世界を次の世代に残せるのか? その問いを、突きつけられた思いがしました。
2009年、フランスの生物学者セラリーニ教授によって、ある動物実験が極秘に開始されました。
それは、ラットに遺伝子組み換えのトウモロコシを2年間にわたって与え続けるというものでした。
映画は、その経過を映し続けます。
やがてそこには、体中にボコボコと腫瘍ができたラットが映し出されます。
体の25%もの巨大な腫瘍もあります。あまりに痛々しく、ショッキングな映像です。
現在、遺伝子組み換え食品の安全基準は、ラットに3か月与え続けても問題がないかどうかで判断されています。
しかし、セラリーニ教授の実験によると、異常が出るのは4か月目からでした。
遺伝子組み換え食品の安全基準のいい加減さが、事実を持って証明された映像です。
実は日本は遺伝子組み換え食品の輸入大国です。
年間約1600万トンのトウモロコシを輸入していますが、そのうちの9割がアメリカ産で、88%が遺伝子組み換え品種だと言います(2012年米国農務省調べ)。
それが主に家畜の飼料をはじめ、食用油、コンスターチなどの加工食品の原料に使われています。
また、大豆も同じような状況で、遺伝子組み換え食品の表示義務があるのは、豆腐、納豆、味噌の一部だけで、あとはそれとは知らずに口にしているのです。
それが、TPP参加によって、さらに大量にアメリカから輸入されることは間違いありません。
そして映画は、福島第一原発事故をも描き出します。
セラリーニ教授は指摘します。
「遺伝子組み換えと原子力。この命を脅かす二つのテクノロジーには共通点がある。
それは後戻りできないこと、すでに世界中に拡散していること、そして体内に蓄積されやすいこと」だとー。
「我々はモルモット扱いをされているようだ」と語った福島の農民の言葉が、胸に突き刺さります。
巨大企業の利益ばかりが優先され、人の命が軽んじられる現実に、恐ろしさと同時に怒りを感じ得ずにはいられません。
そして、事実を知ることの大切さを、あらためて感じさせてくれた映画でもありました。
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