○野村淳一議員
宮川市政として3期目を迎えられました。市長がモットーとする市民本位の市政。私も文字どおりその立場でためらうことなく宮川市政を監視、チェックしながら、お互い住み続けてよかったと誇りを持って言えるまちづくりのために、良いものは良い、悪いものは悪いと引き続き活発な議論ができればと願っております。
3期目の宮川市長の所信表明を拝聴しました。そこで、この所信表明に関連して私の感想も含め、以下数点にわたり質問いたします。
まず、市長も第一に述べられている広域紋別病院と地域医療の充実についてであります。
市長は、所信表明で「広域紋別病院では医療を提供する側も受ける側も利用しやすい環境をつくってまいります」と述べられましたが、それは大切な観点だと私も思います。
問題は、それをどう構築するか、どう具体化し実践するかにあります。
そこでお聞きしますが、市民の安心を支えるために喫緊の課題である常勤の循環器医師の確保及び産科など各診療科の充実について、どのような対策をとり、どのような見通しなのかお知らせください。
同時に、今年度これまでの広域紋別病院の患者数の動向と経営状況についてお聞きするとともに、その評価についてもお尋ねします。
もちろん、医師の確保は極めて厳しい現状にあると理解しています。それだけに、地域医療を継続させていくためにも、地域の命を地域で守るためにも、地域みずからが医師を養成し、医師をつくり出していく努力が必要ではないかと考えるものです。
紋別と同じように地域医療に困難を抱えている根室市でも士別市でも、医師確保のために市独自の奨学金制度を創設しており、一定の成果をつくっています。将来にわたっての希望をつないでいます。
この取り組みは、これからの方向性として十分検討すべき課題だと考えるものですが、見解をお聞きいたします。
次に、新病院の建設にかかわってであります。
言うまでもなく、新病院が住民にとって利用しやすい病院となることが何より大切です。その意味からも、バスの便やバス停の位置、院外薬局の配置、坂道での安全性、通学時の安全確保など、冬の積雪時期を含め、特に高齢者や障害者など弱者へのきめ細かい対応が求められることは言うまでもありません。
しかし、これらの問題で弱者への対応は果たして十分なのかという懸念の声も少なくないのです。
この問題は、企業団とともに紋別市の果たすべき役割が大きいと考えます。
現在、紋別市と企業団との間でどのような協議がなされているのか、状況をお尋ねします。
先日、新病院建設にあたって制限付き一般競争入札が実施されたと思います。その内容について、承知している範囲でお聞きいたします。
<答弁>
○宮川良一市長
それでは、野村議員のご質問にお答えいたします。
私の所信表明に関連して、初めに広域紋別病院と地域医療の充実についてであります。
1点目の常勤の循環器医師の確保対策とその見通しにつきましては、さきに飯田議員のご質問にお答えしたことでご理解願います。
(飯田議員への答弁~特に、地域のニーズの高い循環器内科につきましては、移管時から早期の派遣を強く大学側に要請してきたところであり、秋ごろをめどに常勤医の配置が実現できるよう努めております。)
また、産科など各診療科の充実につきましては、現在眼科、泌尿器科、呼吸器科など常勤医師の配置を目指している診療科にありましては、引き続き企業団とともに道内医育大学や道内外の医療機関等への要請を行うほか、耳鼻咽喉科、皮膚科等の診療科にありましては医育大学からの非常勤医師による診療が継続できるよう要請活動を行うなど、地域医療ニーズに積極的に応え、安心できる医療を確保してまいりたいと考えております。
2点目の本年度の広域紋別病院の患者数と収益の状況につきましては、6月末までの3か月間の平均患者数は入院が1日平均50.8人、外来が1日平均303.2人となっており、昨年同期と比較して入院で3.7人、外来で28.2人の患者が増加している状況にあると伺っております。
また、収益につきましては、企業団において6月診療分の数値が確定していないため概算数値となりますが、6月末までの3か月間の累計で入院が1億7,227万円、外来が1億5,669万円となっており、昨年同期と比較し入院で約8.3%、外来で約17%伸びている状況と伺っております。
3点目の市独自の奨学金制度の創設についてであります。
慢性的に不足している医師の確保につきましては、地域医療を継続するうえでも重要であり、この課題は本市だけではなく国が抜本的に改善する仕組みを構築する責任があると考えております。
医師を確保するための施策につきましては様々な取り組みがあり、主要なものとして国において医学部定員の増加、北海道においては札幌医科大学、旭川医科大学における入学試験の地域枠の導入、本市におきましても地域医療を志す医学生を受け入れ、医療実習の場を提供し、地域医療の再生を目的に札幌医科大学と本年7月4日に連携協定書を締結するなど、地域医療を志す医療人が育成され、本市をはじめとした地域に医師が増えることを期待しております。
医師確保に関する奨学金制度につきましては、通常の大学生が利用できる日本学生支援機構や札幌医科大学、旭川医科大学の地域枠を利用する学生用の北海道医師養成確保修学資金貸付等があり、医学生が学生生活を送るうえで充実した内容となっております。
地域医療の担い手確保につきましては、医師だけではなく医療従事者も含めた観点からの検討が必要であり、地域医療を確保していくための一つの課題として考えております。
4点目の新病院の建設に関する企業団との協議経過につきましては、新病院の改築に当たり患者等利用者の安全・安心を第一に考え、基本設計段階から企業団と適宜協議を進め、病院へのアクセス動線あるいは敷地内の歩車道の分離、利用者と搬出入業者との分離、冬期間の安全対策など、高齢者や障害者の方々が安心して病院を利用できるようバリアフリーに配慮した新病院改築計画になったと承知しております。
今後とも病院の完成オープン時期を見据えて市道の整備や上下水道の整備、市立保育所等の移転整備を行っていくほか、バス停の新設など病院周辺環境の整備を計画的に行い、患者等利用者の安全と利便性の向上を図ってまいりたいと考えております。
5点目の新病院の入札につきましては、企業団において本年5月17日に建設主体工事の制限付き一般競争入札の告示を行い、今月9日に入札が行われたと伺っております。
なお、この入札においては、建築工事の品質の確保を図る観点から入札価格点に技術評価点を加算した、いわゆる総合評価方式により落札業者が決定されると伺っております。
<再質問>
○野村淳一議員
それでは、何点か再質問させていただきます。
最初に、広域紋別病院に関してですが、病院の経営状況をお知らせいただきました。入院も、そして外来も昨年に比べると大きくというか、患者数が増えて収益も改善されているようであります。まだ緒についたばかりだというふうに思いますが、期待をしたいと思います。
そのうえで、医師の問題であります。
循環器系の医師の確保というのは、言葉では簡単ですがそうなかなかうまくいかないということもよくわかります。
私は、今回医師を養成し、みずからがそれをできないかということを取り上げました。
根室市、士別市、そして芦別市などでも事業が行われています。
根室市の資料を読むと、平成24年度に2名の方がこの奨学金を受けて今勉学をやっています。医師になろうとして奨学金を受けてやっています。
これはやっぱり根室も大変医師の問題では苦労をしているところですから、そういう意味ではやっぱりこういうことが、確かに来年、再来年の問題ではないんだけど、未来に希望をつなげる大きな力になっているのは間違いないんです。
芦別市は平成23年度からこの制度を始めていますが、今年度どうしたかっていうと、4年生を対象にしたんですよ。在学生に奨学金をやった。それだけ切迫しているんです。医師の数が。なので、即戦力がほしいということで4年生の学生に奨学金をというような取り組みを行っている。
斜里町、浦河町、白糠町、羅臼町、いろんなところで本当に30万円とか20万円とかいうお金を使って医師の養成に乗り出しています。どこも必死なんです。
確かに今市長が言うようにいろんな奨学金制度がある。私も承知しています。
しかし、今こういう現状の中で、一つの検討課題として市もこの独自の奨学金制度を検討する余地があるのではないのかというふうに思っています。改めて、ご見解をお知らせください。
○保健福祉部長(佐藤 久祐)
お答えします。
先ほど市長答弁でも申し上げましたとおり、医師の確保につきましては医療従事者の確保も含めまして大切な事柄だと考えております。
ということで、この地域医療を確保していくためにも今後の一つの課題として勉強させていただきたいというふうに考えております。
○野村淳一議員
わかりました。
次に、新しい広域紋別病院についてであります。
北高跡地に建設が予定されている広域紋別病院ですが、これは西紋のまさにセンター病院となるものです。
したがって、この新しい広域紋別病院が市民の、そして地域の文字どおりセンターになる必要性があると思っています。
私はその点の問題で、交通の問題でちょっとお聞きしたいんです。
今、旧道立病院ですね。これに行く場合、市内は北循環、南循環に分かれています。で、南循環の場合は当然そこに行きます。
しかし、北循環の場合はバスではバスターミナルで1回乗り換えなきゃならないんですね。そういう不便さが実はあります。
今度は北高跡地にそれができるわけですから、今度は逆の状況が生まれます。
今言ったように、この新しい病院は文字どおり地域のセンターであるべきだというふうに思います。どこに住んでいてもまっすぐその病院にかかれる。もちろん多くの患者さんですから、そういう足の便が必要ではないかというふうに思っています。
これは、病院がどうのこうのできる問題ではありません。紋別市としてそういう対策が今から検討する必要があるんではないでしょうか。いかがですか。
○産業部長(村井 毅)
病院に対するバス路線の運行経路ということでのお尋ねかと思いますけれども、まず1つ目に西紋のアクセスに関しましては今の山手線2本と、それと今の旧国道2路線ということで運行してございまして、山手線の方については問題ございませんので、旧国道の通る路線のほうにつきまして、これにつきましては関係町村のほうにも広域病院を通るような新しいバス停、そこで乗降車できるようなことで要請といいますか、市も検討してるんで一緒に協議させていただいているところでございます。
それともう一つ、循環線の問題ございましたけれども、まず循環線につきまして、確かに今現在北循環については通過しておりませんで、議員ご指摘のように南循環が今度北循環と同じような立場って言ったら変ですけれども、そういうような状況になると思います。
それについてどうするかっていうのは前々から課題として考えてございまして、ただ北循環と南循環、これは地域交通活性化協議会に諮りまして一つの路線であったものを乗車時間を短時間で済ませられることも考えまして今の2つに分けたという経過もございます。
そういった部分で、トータルで循環線については考えていく必要があるのかなと、こういうこともありまして、そういった課題を克服してどうやって南循環のエリアの方が新しい広域病院に通院できるようにするか、今これにつきましてもちょっと内部で検討してございまして、こういった北循環と南循環とのアクセスですとか、そういった課題も考えながらやっていくということで、内部で検討してそれを地域交通活性化協議会にも諮りまして、こういった方策を検討してまいりたいと、このように考えてございます。
○野村淳一議員
わかりました。よろしくお願いします。
それと、広域紋別病院の入札のことなんですが、今ご答弁にありましたが総合評価方式ということで価格評価点、あるいは技術評価点、それぞれに点数を決めて、そしてそれの合計ということになるんだろうというふうに思います。
これは、今の段階でどうのこうのというのはあれなんですけども、ちょっとスケジュールだけ教えてください。入札が行われました。これは今言ったように総合評価ですから、一体どこの機関が今度はこれを評価するのか、そしてそれはいつ決まるのか、それはどのような形で公表するのか、教えてください。
○技監兼広域病院連携推進室次長(高野昭一)
お答えします。
入札につきましては、今月9日の日に入札がおこなれました。この中で4つのJⅤが参加されまして入札を行いましたけれども、予定価格を下回る業者がいなかったということで、金額による競争につきましてはそこで中断しております。
現在、その後の12日の日に総合評価の委員会を開きまして、結果の報告と今後の総合評価の取り扱いについて協議いたしまして、総合評価のにつきましては当初の考えどおり実施するということで、今現在はその入札は終わりましたけども、参加された業者と随意契約についての現在協議を進めております。
これは地方自治法の中にも不落の場合につきましては随意契約をすることができるというふうにうたっておりますので、現在随意契約についての協議を行っておりまして、これが一番価格の低いところから協議を行っていくということで今考えておりますけれども、それに何とか持っていきたいというふうに考えておりますけれども、それがもし話がまとまらないっていうことであれば、次は再度の公告の入札という形のスケジュールになっていくというふうに思います。
○野村淳一議員
これ、もともとの予定価格は20億円だと、税込みでというふうに思うんですが、間違いないですか。
○技監兼広域病院連携推進室次長(高野昭一)
当初の公告の時には、この5月の告示したときには20億円というふうな、これ概算ですので、概算で数字を提示しております。
その後公募をしまして、4JⅤから公募が来まして、それで総合評価委員会の中でその4つが公募した条件に該当しているかどうかという審査を行いまして、審査結果問題ありませんということで通知をしました。
その通知の中で22億円ということで、概算22億円で表示をして通知をしております。
○野村淳一議員
ちょっとよくわからないですね。公告の時は20億円というふうに私は記憶していますから、それでやるんだと。確かに今震災復興の問題だとか、あるいは道内的に言えば新幹線だとかいろんな状況があって、資材も、あるいは企業も、あるいは人も大変状況にあることはわかるんですよ。
それがいつの間にか22億円になって、それでもそれを下回る企業がいない、そういう現状ですね。
そうであれば、それでもなおかつ今度は一番低いところから随意契約をして何とか乗っけていきたい、こういうことなんですか。
もうちょっと、皆さん方が出した22億円という数字にも責任を持った上で、本当にこれがどうなのかということをもう少し精査する必要があるんじゃないですか、いかがですか。
○技監兼広域病院連携室次長(高野昭一)
22億円につきましては、設計の段階でかなり内容については精査をしております。そこで、この単価につきましては新年度単価、北海道につきましては4月に改定されておりますのでその4月の単価を入れておりますけれども、現在7月に2回、今後9月にも1回大きな単価改定があるというふうに聞いておりますので、その辺を業者のほうは先を見据えた形で入れてきたのかなというふうに思っておりますけれども、企業団としては4月の新年度単価を導入して発注しているというふうに聞いております。
○野村淳一議員
これ以上聞くと病院の内部にかかわることですから、病院議会がありますからこれ以上あれですけれども、しかしどっちにしてもそういう状況の中で企業の言いなりになってしまったら困るんで、その辺については厳正な審査という形での取り組みをぜひ伝えてほしいというふうに思います。
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