○野村淳一議員
次に、市長は所信表明の中で、国内最大級となる木質バイオマス発電所の建設計画に触れ、「この木質バイオマス発電所をまちの新しいシンボルとして、また地域活性化の起爆剤として、その実現に向け取り組む」と述べています。
未利用材や林地残材の活用と林業資源の循環の促進、そして雇用の拡大を合わせ、大いに期待される事業であることは間違いありません。
そこでまず、これら木質バイオマス発電所の事業内容と紋別市とのかかわりについてお尋ねします。
とはいえ、国内最大級といわれる施設だけに課題も少なくありません。
主燃料となる林地残材について、道内各地で木質バイオマスの事業が取り組まれ、今後その数も規模も拡大していく中、将来にわたって供給量に不安はないのか見通しをお聞かせください。
また、環境面の課題も存在します。発電に伴う温排水の処理、ばい煙対策、焼却灰の処理などについてどのように対応されるのか、お知らせください。
本来的に私は、地域の資源は地域の活性化のためにこそ活用されるべきだと考えてきました。
その意味で、今回の木質バイオマス発電の事業を契機に、紋別市は木質バイオマス活用の先進都市として環境面でも産業面でも先駆をなす取り組みを展開すべきではないかと考えます。
たとえば十勝、下川、足寄町などのように、バイオマス産業都市の選定を受けるなど、より積極的な攻めの方向性を持つことが重要ではないでしょうか。市長の見解をお尋ねします。
○宮川良一市長
次に、木質バイオマス発電事業についてであります。
1点目の事業内容と紋別市とのかかわりにつきましては、先に飯田議員、鈴木議員のご質問にお答えしたことでご理解願います。
(飯田議員への答弁~宮川市長「計画の概要につきましては、建設地は市内新港町4丁目、紋別港第3ふ頭工業用地、発電規模は5万キロワット、総事業費は約140億円、工事期間は試運転を含め3年間で、早ければ今年度中に着手したいとのことであります。燃料は、燃量換算で林地残材等の木質バイオマスを50%、石炭とヤシガラをそれぞれ約25%を使用し、発電所のほかにチップ工場、チップ保管倉庫、原木貯蔵ヤードを建設すると伺っております。)
2点目の林地残材の供給量につきましては、平成23年度のオホーツク森林バイオマス活用協議会における林地残材賦存量12万トンに調査対象外であった切り捨て間伐材や除伐材等が上積みされることから、供給量につきましては心配ないと伺っております。
3点目の環境面での課題につきましては、温排水やばい煙対策につきましては飯田議員のご質問にお答えした通りでありますが、焼却灰につきましてはセメントをまぜ造粒灰として林道などの路盤材として活用が可能と伺っており、愛媛県において使用実績があるとのことであります。
(飯田議員への答弁~宮川市長「環境対策につきましては、計画中の発電所は一般的な火力発電所と比較し、小規模なため冷却方法が異なり、冷却水には海水ではなく日量約4000トンの淡水を用い、その約半分が蒸発し、20度から30度の温排水が日量約2000トン排出されると伺っております。この影響につきましては、住友林業が専門業者に調査を委託しており、適切な対応がとられると考えております。また、大気汚染防止法、水質汚濁防止法は北海道に、騒音規制法、振動規制法、悪臭防止法は市への届け出となっており、住友林業はこれらの基準よりさらに厳しい自主規制値により対応するとのことであります」)
4点目の木質バイオマスを活用した先駆的な取り組みにつきましては、さきに飯田議員のご質問にお答えしたことでご理解願います。
また、バイオマス産業都市の選定につきましては、採択事例を調査するなど本市での可能性を含め研究課題とさせていただきます。
(飯田議員への答弁~宮川市長「発電過程で排出される熱や温排水の活用について、公共施設の熱源のほか魚介類の養殖、ビニールハウスの熱源、木材の乾燥と産業面等での活用と可能性について、関係者とともに探ってまいりたい」)
<再質問>
○野村淳一議員
最初に、私は林地残材の供給量について質問しました。市長のご答弁もあったんですけれども、改めて確認します。
これは、市から説明を受けた時に出された文書なんですが、75キロ圏内でバイオマス回収可能量は12万3000トンあることがわかったと。
それで、発電所で使う林地残材は21万4000トンだと。
この75キロ圏内では12万3000トンあることがわかったんだけども、民間が使うのは21万4000トンですから全然数が合わないので、改めてこの問題について教えてください。
○農政林務課参事(徳正修一)
お答えします。協議会で調査をした結果が12万3000トンなんですが、この調査の内容というますのが、実際にその年に山で施業を行った現場、間伐の現場もありますし皆伐の現場もあります。針葉樹もありますし、広葉樹もあります。
やはり林地残材がヘクタール当たりどれくらい出てくるのかというのが樹種によっても違いますし、当然皆伐でも間伐でも違うということから、協議会の方では基礎データとして皆伐並びに間伐のヘクタール当たりの資材量を算定したということなんですけれども、発電所で使えるであろう21万トンにつきましては、それ以外にも調査対象外となってました除伐で出てくる材もありますし、切り捨て間伐といって18センチ以下のものは細かく材として使えないということで山に切り捨てて残してきてもいいよと、基本は切り捨て間伐はだめっていうことになっているんですけども、そういった特例もあります。
そういった特例のところから発生するものすべてを算定して算出したのが21万4000トンということであります。
○野村淳一議員
今回この紋別に国内最大級のバイオマス発電所ができるという一つの背景には、この近隣が今言ったようにバイオマス回収可能の賦存量がたくさんあるということが一点ですね。
それからもう一つは、固定買い取り制度が1キロワット時32円だと。これがやっぱりここに発電所をつくるポテンシャルになっているんだと思います。
さきほどの議論の中でインフラ整備ですね、下水道、上水道、すさまじい工事が行われることもよくわかりました。
そこでお聞きしたいんですが、この1キロワット時32円、これがあるから年間億単位の収益が上がるだろうというのが住友さんの考えなんだと思います。
これは20年ですね。20年32円だということですが、これ20年後32円だという保証はありません。
しかし、様々な形でインフラ整備を紋別市がそのために相当の金額をかけて行うことになります。
この辺のことについて、まあ20年後はわからないといえばわからないんですが、その辺についての考えがあれば教えてください。
○農政林務課参事(徳正修一)
お答えします。
FⅠTの制度は基本的に20年なんですけれども、すでに住友さんの方で計画している発電所については設備認定は受けているというふうに聞いております。この設備認定を受けた年に決まっていた単価、これは20年間保証されるということが制度上決まっております。
○野村淳一議員
住友さんにしてみたら20年間で回収できるんだろうと思います。
ただ、この32円という金額も今非常に議論になっていて、非常に高いんじゃないかという議論も一部ではあるようです。
この辺の中身もまた今後の議論になるかと思います。
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