それは今回2か所目の施策先、中標津町の障害者施策を学ぶためです。
同時に、障害者就労支援B型事業所「森の家」を見学するためでもありました。
「森の家」では西尾施設長と懇談することができました。
はじめに驚いたのは、その施設の大きさと広さです。道庁の建物だったものを中標津町が引き取り、それを「森の家」が無償で借りているとのこと。
なにせ無償というのがありがたい。障害者の事業所にとっては何よりです。
そこでは主に石鹸の製造をメインに、木製品や手芸品を作っています。
その日も、20人近い利用者さんが作業に取り組んでいました。
年に一度の「森の家まつり」には、近隣の障害者施設からも、同じ町内会からも多くの参加があると言います。
最初は、障害を持ったわが子の居場所を作ろうと数人のお母さんたちで始めた活動が、やっとここまで来ました。と、感慨を込めて語ってくれた西尾さんの言葉が印象的でした。
翌日、中標津町役場を訪れ、障害者施策についての視察です。
実はこの町は、町立の障害者施設をいくつも持っています。
これは今や、珍しいことなのです。
障害者自立支援法ができて以来、NPO法人など民間事業所による事業展開が中心になり、公立の施設運営が減ってきています。
その中で中標津町は平成23年、町立の共生型交流センターを立ち上げました。
障害者、高齢者、子どもなどがともに集える共生の施設として、全国に作られていますが、公立で運営しているところは見たことがありません。
ボランティアによる喫茶コーナーのほか、相談支援センターや日中一時支援事業なども整備されています。
さらにその隣に、障害者のグループホームが建っています。
これも町立です。
グループホームが町内にないばっかりに、町外に出ていかざるを得ない障害者をなくしたい。この思いが町立のグループホーム建設につながりました。
これも珍しいことです。
しかも、入居費用を軽減する独自の制度を導入し、誰もが安心して暮らせるまちづくりを進めています。
その後に建設された民間のグループホームでも、軽減制度を適用していると言います。
中標津町は人口2万4300人で、紋別市とほぼ同じですが、毎年増えていると言います。ですが財政規模では、紋別市より2割小さい街です。
でもそこには、雄大な根釧台地の中に、人のやすらぎとやさしさが見えるようでした。私に、そんな印象を与えてくれた街でした。
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