先日、札幌で「米軍が最も恐れた男ーーその名はカメジロー」という映画を観てきました。
アメリカの占領下にあった戦後の沖縄で米軍の圧政と支配に屈せず不屈にたたかい、のちに那覇市長、国会議員となった政治家・瀬長亀次郎の軌跡を追った迫真のドキュメンタリー映画です。
米軍の支配に対抗するため沖縄人民党の結成に参加。
弾圧を恐れず、米軍にNOと叫び続けた亀次郎が民衆の前に立てば、毎回何万人もの聴衆が集まりました。その演説に目を輝かせて聞き入る人々の写真が印象的です。
米軍により不当に逮捕され刑務所に収監された亀次郎が出所する日、刑務所の前にはおびただしい人々が集まり、「瀬長亀次郎歓迎」の横断幕が掲げられ、盛大な拍手と歓声が起こったといいます。
那覇市長になった亀次郎に対し、彼を恐れた米軍は銀行口座の凍結や水道の停止などの暴挙に出ますが、亀次郎を助けようと自主的に税金を納付するために列をなす市民の姿が映し出されます。
国会議員として当時の佐藤栄作総理と対峙し「基地を残したままの返還は県民が望んだ返還ではない」と主張する姿は、胸に迫ります。
映画のパンフレットにはこんな一文がありましたーー『27年間にわたったアメリカの軍事占領を経て、日本復帰後45年が経っても、なお沖縄に基地が集中するなか、沖縄の人々が声を上げ続ける、その原点…。それは、まさに戦後の沖縄で米軍支配と闘った瀬長亀次郎の生きざまにあった』と。
保守も革新も超え「オール沖縄」で闘い続ける沖縄の姿は、民衆とともに信念を貫いた亀次郎の闘いを、今につなげているのかもしれないーー映画を観終わった後、大きな感動とともに、沖縄の「心」が胸に迫りました。
沖縄では今、辺野古の新基地建設をめぐり政府の暴挙が続ています。
沖縄北部にある「奥」という集落から、辺野古基地建設に使う砕石が一日何百台というトラックで運ばれ、辺野古に向け県への手続きもないまま不当に海上輸送されています。
港に向かう道は機動隊に封鎖されたまま。
それでも住民は抗議の声を上げています。
ひとりの老婆がマイクを握りますーー「ここでも9人が日本軍に虐殺された。戦争というのは異常な時代だ。沖縄には素晴らしい政治家がいっぱいいたなあ。大好きな瀬長亀次郎さんも、もうあの世に行ったけど、このありさま見て、なんと思っているかなあ」と。
沖縄は今も、不屈の闘いの真っ最中にあるのです。
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