興部町の「興部北興バイオガスプラント」を見学してきました。
昨年11月に稼働をはじめたこの施設。酪農の街として、家畜糞尿を活用したエネルギーの地産地消を早くから模索してきた興部町にあって、念願の施設です。
その中身をぜひ知りたいと、遠紋地域の共産党の議員4人(岩沢武征遠軽町議、但木早苗佐呂間町議、福原峰雄雄武町議、そして私)でお邪魔しました。
案内していただいたのは、バイオガス事業推進室の安東主事。わかりやすい説明がさわやかでした。
酪農家で発生した家畜ふん尿は、ここ「原料受入棟」に運ばれ、地下にある発酵槽に入れられます。
それが、発酵後の消化液とバイオガスに分離されます。
良質な肥料となる消化液は殺菌されたのち、貯留槽に貯められます。
この貯留槽から、さらに町内2カ所あるサテライト貯留槽に移送、貯留し、利用農家で散布します。
一方、消化液を生成するさい、固形物も発生します。これを敷料に活用します。
また、家畜ふん尿の発酵で発生したバイオガスは、脱硫装置でガス中に残存する硫化水素などの有害物質を除去し、民間のバイオガス発電所に提供します。
これまでも家畜のふん尿はたい肥化され農地に還元されてきましたが、散布時には臭気が市街地に流れるなどの問題や、未熟のたい肥散布による草地の劣化などの問題をはらんできました。
そこで興部町は家畜ふん尿を資源として活用し、エネルギーの地産地消に取り組む方針を定め、平成26年にバイオマス産業都市に認定されます。
平成27年には地域バイオマス産業化整備事業補助金の交付を受け、総事業費7億円余りで平成28年10月に「北興バイオマスプラント」が完成、11月に稼働開始となったのです。
現在、この施設を利用しているのは6戸の酪農家です。さらに、個人でバイオマスプラントを整備している農家も2戸あります。
さらに、プラントを拡大していけるかどうかは、これからの課題だといいます。
「稼働してまだ1年。やっと慣れてきたところです。これから実績を見極め、今後の方向性を探っていきたいと思っています。これからが頑張り時です」ーー安藤さんの言葉に、酪農の街・興部の力強さと誇りを感じました。
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