実態調査を行ったのは、ひきこもりの当事者を支援するNPO法人レター・ポスト・フレンド相談ネットワークで、調査対象68人のうち、平均年齢は35歳で、40歳以上が31%と、中高年のひきこもりが目立つとともに、当事者や同居する親の収入が300万円未満という回答が56%を占め、経済的にも厳しい家庭が多い実態が示されました。
これらの記事を見て、紋別にもかかわりがあると思い、さっそく札幌のNPO法人レター・ポスト・フレンド相談ネットワークに連絡を取り、田中敦理事長宅を訪問しました。
レター・ポスト・フレンドは外出が困難なひきこもり当事者の相談にのるため、手紙やメールなどを活用した任意団体として1999年に設立し、以来、相談活動をはじめ、居場所づくり活動や就労支援活動に取り組んでいます。
田中理事長は「10年以上、ひきこもっているなど、深刻な当事者が大勢います。福祉、医療などの公的支援にうまくつながらず、孤立しているケースが多い。それだけに行政や福祉、医療の専門家などと協力し、当事者同士が気軽に集まり、仲間と信頼関係をむすべるような居場所づくりが大切です」と語ります。
そして「苦しい中で、私たちに相談をくれた時、何よりもじっくり話を聞くこと、何よりも労をねぎらうことを大切にしています」と語られました。
紋別市でも保健所主催の「ひきこもりへの理解」と題するセミナーが行われ、私も参加しました。
北海道ひきこもり成年相談センターの方が講師となって「ひきこもり」に関する基礎知識、現状、支援について講演がありました。
ひきこもりの背景には、いじめや心の病、発達障害、家庭不和など様々な要因があります。
さらに競争社会、自己責任など今日的な社会的要因も重なります。
紋別市にも、推計値で170人ほどのひきこもり当事者がいると考えられるといいます。その立場で、取り組むことが重要です。
当事者も家族も、毎日苦しみもがいています。個人の問題ではなく、すでに社会的問題として取り組む課題となっているのです。
そして今、その当事者や家族が気軽に相談できる機関、ネットワークができないか、と考えています。
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