私が、落語会の実行委員長として今回で8回目を迎えました。さん喬師匠の噺を、今回もたっぷり堪能しました。
音合わせ中のさん喬師匠です。
ポスターとチケットです
今回のトリは、なんと待ちに待った『芝浜』でした。
何といってもさん喬師匠の「芝浜」は、何度聞いても胸に詰まります。
さん喬師匠の「芝浜」を始めて聞いたとき、「あれっ」と少し違和感を感じたのです。
今まで聞いた「芝浜」は、特に談志の「芝浜」とは、全くと言っていいほど印象が違うのです。
「芝浜」の多くは、酒にだらしない亭主と威勢のいい女房のやり取りがおかしく、そして後半からは、ぐっとおさえた女房の独白がメインになるのが主流です。特に談志の「芝浜」は、啖呵のいい女房が圧巻でした。
ところがさん喬師匠の演ずる女房は、初めからぐっと抑えた、どちらかというと線の細い女房として登場します。
そして後半。だからこそ、意を決して独白する女房に、覚悟と強さを見るのです。
そして子どもが登場するのも新鮮です。亭主は、女房の話を聞いて心に迫るものがあります。それを、多くを語らず赤ん坊を抱いて「これがお前を生んでくれたおっかさんだよ」とあやします。
このくだりは、夫婦の心温まる様子を鮮やかに描きます。
サゲはお馴染みの展開ですが、その前の女房の一言がいい。「あたしのお酌じゃいやかい?」
ここに3年間のわだかまりが消え、本音を聞けた心情が、ここちよくこもってるような気がします。
全体に抑えた演出が夫婦の機微を、そして愛情を感じさせてくれます。
今でも、「おまえさん起きておくれいな」という女房の優しい言葉が心に残っています。
さん喬師匠を囲んでの「ご苦労さん会」もまた、たのしいひと時です。
そしてまた、みんなで誓うのです。来年もまた「柳家さん喬紋別落語会」を絶対にやるぞ!と。
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