2020年7月16日木曜日

誰もが安心できる公営住宅を~2020年第1回定例市議会一般質問①

南ケ丘団地


〇野村淳一議員
 
 最初に、公営住宅について質問いたします。  

 言うまでもなく、公営住宅は住宅のセーフティーネットの根幹です。

 国、自治体は、公営住宅法第1条で示されているように、住宅に困窮する低所得者に対して、健康で文化的な生活を営むに足りる住宅を整備する責任を負っています。 

 そこで、紋別市における公営住宅政策について、以下、4点お聞きします。 

 第1は、公営住宅の長寿命化計画についてです。 

 紋別市は、平成27年に公営住宅等長寿命化計画を策定しています。その計画のもと、まちなか公住の建設や旭ヶ丘団地の整備などが進められてきました。この長寿命化計画も、前期の5年間が終了し、令和2年度 から後期の5年間を迎えることになります。

 そこには、今後、落石1丁目団地の個別改善、南ヶ丘団地の全面的改善、落石5丁目団地の修繕計画がそれぞれ明記されています。 

 そこで、これら各団地の改善計画についてどのように進められるのか、それぞれ具体化の方向をお聞きします。  また、まちなか団地の3号棟目の建設についての見通しもあわせてお聞きします。  

 二つ目には、連帯保証人の扱いについてです。 

 国土交通省は、平成30年3月、公営住宅に係る連帯保証人について、次のような通知を出しています。

 住宅に困窮する低額所得者への住宅提供という公営住宅の目的を踏まえると、保証人を確保できないために入居できないといった事態を生じないようにしていくことが必要であり、保証人の確保を公営住宅の入居に際しての前提とすることから転換すべきであると考えるとしたものです。 

 当時に、民法の改正により、今年4月1日から新たに保証人に対して責任負う上限額を明示する極度額を定めなければ、その効力が生じなくなるといった状況となります。 

 それらを勘案し、公営住宅の連帯保証人制度を廃止する動きが、北海道を初め、苫小牧市や釧路市、恵庭市など、幾つかの自治体で生まれています。  

 連帯保証人を確保できない高齢者がふえる状況の中で、公営住宅がセーフティーネットとして本来の役割を果たせるよう、紋別市においても保証人制度の廃止を検討すべきと考えますが、いかがお考えか、お尋ねします。  

 また、現在の公営住宅条例でも、高齢などにより保証人を免除できる条項がありますが、その件数はどれほどか、お知らせください。  

 三つ目には、家賃の減免制度についてです。  

 入居者の収入が著しく低額である場合、その基準に基づいて家賃を軽減する減免制度があります。 

 そこでまず、現在の減免制度の件数をお聞きします。 

 この数年を見ると、平成27年度は237件、約24%の減免率だったものが、平成30年度では194件、約 20%と、この4年間でも大きく減少しています。

 その主な理由についてはどのようにお考えなのか、お聞き いたします。 

 四つ目には、公営住宅における灯油価格についてです。 

 南ヶ丘団地の7棟及びまちなか幸団地、まちなかメモリアル団地では、一旦、灯油が大型タンクに給油され、ここから各戸に供給される仕組みになっています。

 したがって、入居者は個別に業者を選ぶことができず、一律の料金となっているのです。 

 そこでお聞きします。 ここでの灯油価格はどのように決められているのでしょうか。また、その価格に対し、紋別市はどのような認識をお持ちでしょうか、それぞれお尋ねします。 

〇宮川良一紋別市長

 初めに、公営住宅についてであります。  

 1点目の公営住宅の長寿命化計画につきましては、計画的に住宅政策や公営住宅の整備、活用を進めるため、平成27年3月に策定し、公営住宅全体の整備プログラムや実施方針を示したものとなっており、計画期間は平成27年度から36年度までの10年間で、この計画は5年ごとに見直すこととされていることから、本年度に見直しを行っているところであります。 

 これにより、落石町1丁目団地につきましては、計画策定時、平成32年度から35年度で個別改善を行うこととしておりましたが、この団地の改修の必要性や改修事業等の平準化を図り、令和8年度から11年度の改修とすることで計画を見直し、南ヶ丘団地については、平成33年度より全面改善3棟、用途廃止2棟、維持管理2棟という計画でありましたが、平成30年度に改修に伴う移転先のアンケートを実施したところ、南ヶ丘団地に残りたいとした入居者が減少したことから、2棟については個別改善を行い、そのほかは用途廃止の方向で計画しております。  

 落石5丁目団地につきましては、計画策定時と変わらず、随時修繕を行いながら、引き続き維持管理をすることで計画しております。 

 まちなか団地3棟目の見通しにつきましては、計画策定時、平成30年度より建設することで計画しておりましたが、土地の選定について時間を要していることもあり、令和4年度から建設することで計画を見直し、建設候補地について、土地所有者と交渉を重ねているところであります。  

 2点目の連帯保証人制度の廃止につきましては、平成29年5月に民法の一部を改正する法律が制定され、 令和2年4月1日から施行されることに伴い、国や北海道、各自治体が保証人制度の存廃についての方向性を示しており、昨年11月末に北海道が行った調査では、自治体の約4割が保証人制度の継続、約1割が廃止、残りの約5割が未定という結果であり、本市においても、納付催告や電話連絡、緊急時の対応など、保証人への協力を依頼していることもあり、保証人制度については継続する方向で考えております。  

 なお、紋別市営住宅条例施行規則において、高齢であることなどにより連帯保証人の確保が困難であると認められる場合は連帯保証人免除申請により免除しているところであり、現在、11件が保証人免除となっております。 

 3点目の家賃の減免制度につきましては、令和2年2月末時点で、入居戸数896戸に対し、減免件数は177件と、約20%が該当となっており、平成27年度と平成30年度の減免率の比較では、件数で54件、割合で約4%減少しておりますが、その主な要因といたしましては、市営住宅全体の入居戸数と、収入区分のうち、減免の対象となる方が含まれる第1分位の戸数について、平成27年度は、入居戸数1,004戸に対し、第 1分位の戸数は805戸、構成割合については約80%、平成30年度は、入居戸数919戸に対し、第1分位の戸数は718戸、構成割合については約78%、第1分位の戸数で87戸、構成割合で約2%減少しております。  

 また、第1分位のうち、所得額から控除額を差し引いた後の収入基準額が0円となる戸数の構成割合についても、戸数で65戸、割合で約3%減少していることから、所得階層の変化が見受けられ、このことは、公営住宅の入居者のみならず、本市における個人市民税所得割額においても、平成27年度と平成30年度の1人当たりの所得額の比較で、給与所得が約16万4,000円増加し、年金についても約1万円増加したことで、全体の所得が上がっていることから、公営住宅の入居者の所得水準も上昇し、減免率は減少しているものと考 えております。 

 4点目の公営住宅の灯油価格についてですが、紋別地方石油業協同組合では、生活協同組合が発表する単価や市場での動向に鑑み、価格の変動にも対応しながら設定していると伺っております。

 しかし、その単価は市への納入単価と比較しても2.2円高くなっていることから、紋別市と同単価での供給について交渉してまいります。 

【 再質問 】

〇野村淳一議員

 ありがとうございました。 この間、ずっと議論がされてきまして、一般質問では私が8人目ということであります。  
 260億円を超える最大規模の予算編成です。その多くがふるさと納税に寄与するものが多いですし、ガリ ンコ号Ⅲの建造費も含まれています。

 市長の言葉をかりれば、積極的な予算編成、スピード感を持った予算編成だということになるのだろうと思います。 

 同時に、私は、このまちの一人一人の市民の暮らしをどう守るかということも重要だと思っています。

 特に、弱者と呼ばれる人たちの声をどう酌み取っていけるかは重要ですし、一人も取りこぼさない、一人も置き去りにしないという姿勢が重要だと思い、今回、質問を構成しましたし、その立場で再質問を行います。 

 最初に、公営住宅についてです。 公営住宅等長寿命化計画について、後期に当たって見直しが行われるということでした。

 また、今、南ヶ丘団地のことを言われたので、それを聞きます。 

 もともと、長寿命化計画では、1号棟と2号棟を廃止し、そして、5号棟から7号棟は、エレベーターの設置を含め、全面的改善ということでした。

 しかし、今のご答弁では、2棟を残し、ほかは撤去という話です。

 極めて大胆で大規模な見直しなのですが、そういうことなのでしょうか、もう一回改めて教えてくださ い。 

○檜山博克・都市建設課参事

 お答えします。 南ヶ丘団地につきましては、当初、そのような計画を立てていたのですけれども、平成30年度にアンケー トをとったとき、南ヶ丘団地に残りたいとする方が63戸ということで、2棟ぐらいでおさまってしまうことが判明しました。

 そこで計画を見直しまして、2棟のみ個別改善を行って、残りは用途廃止をするという計画でおります。 

○野村淳一議員

 その方々がどこへ行くのかということもあるのだろうと思いますが、それがまちなかの3棟目なのかはよくわかりません。

 でも、新しい見直しの計画が決定するということになるのですね。それでは、それを見て改めて取り上げるとして、今回はこの程度にしておきます。  

 次に、保証人の関係です。 紋別市としてはこのまま保証人の制度を継続していくというお話でした。

 しかし、道内では、1割の市町村で廃止、5割が未定ということです。 

 そこでお聞きします。 民法が改正されて、極度額を設定しなければならなくなりますけれども、これは公営住宅との関係ではどういう性格のものなのか、教えてください。

○檜山博克・都市建設課参事

 お答えします。 

 今までは保証人に対する保証金額については上限がなかったのですけれども、今回の民法の改正で上限を決めなさいということでありまして、今、公営住宅の場合、12カ月分の極度額を考えております。 

○野村淳一議員

 国土交通省も北海道も含めて、保証人を廃止するという動きが一つの流れになっているというふうに思うのです。

 例えば、低額の所得者が公営住宅に入居するわけですが、身寄りのないお年寄りの方が多く、保証人をつけるのが大変なのですよ。

 しかも、紋別市の保証人の条件は、市内に居住し、独立 の生計を営むとなっています。 例えば、息子が札幌市や東京都にいるとなったら、市内にいないから保証人になれないのです。これは、 なかなか厳しいのですよ。 

 住宅を本当に必要としている人に対して提供するのが公営住宅でありますが、その基本に立ち返って、保証人のあり方はどうなのだというのが国土交通省の提案でして、これは当然だというふうに思っています。 

 時代は保証人の廃止という方向に流れているというふうに私は思いますが、改めていかがですか。 

○檜山博克・都市建設課参事

 お答えします。 

 保証人の関係につきましては、答弁にもございましたとおり、私どもでは、納付催告など、納付の協力依頼といいますか、お願いしているということがありますので、今は保証人を継続していくことで考えており ます。 また、保証人のつけられない方については、先ほど答弁したとおり、規則の中に保証人の免除申請というものがありますので、そちらで対応していこうと考えております。 

○野村淳一議員

 私としては、保証人の配置を含め、ぜひ検討を続けていただきたいと思っております。 

 ただ、今、課長がおっしゃった規則第8条です。これで保証人がつけられない方は免除できるということですが、そうであれば、この規則をぜひ生かしてください。

 そうすることで、住宅を本当に必要としている人が、身寄りのないお年寄りが、保証人がいなくて入居できないということがないよう、ぜひ活用をしていただきたいことを要望しておきます。 

  次に、減免制度についてです。  

 今、市長からいろいろとありましたが、結論としては、入居している人の所得水準が上がっているのではないか、だから減っているのではないかということでしたが、にわかに信じられません。 

 それでは、減免というのはどういう性格のものですか。対象者やその範囲について、簡単でいいですから、教えてください。 

○檜山博克・都市建設課参事

 お答えします。 

 減免制度の基準についてですが、生活保護基準がありまして、それと見比べまして、100分の110以下であ れば5割減免、また、100分の110を超え120以下であれば3割減免、100分の120を超え130以下であれば1割減免という基準となっております。 

○野村淳一議員

 そういうことなのです。生活保護基準の1.1や1.2、1.3ということですね。 

 特に、減免というのは申請主義です。基本的には入居者がみずから申請しなければ、これを受けることができません。

 でも、普通の人は自分の収入が生活保護基準の1.1だとか1.2だとかはわからないでしょう。

 私は、そういうことが影響しているのではないかな、該当しているのに減免を受けられないでいる方がいるのではないかと危惧しています。 

 ですから、減免制度というものがあるよ、ひとり暮らしの場合はこの程度、2人なら何ぼ、4人の世帯ならこの程度の収入で減免になる可能性がある、ぜひ相談してくださいというようなことが必要ではないのかと思いますが、いかがですか。 

○檜山博克・都市建設課参事

 お答えします。 

 減免制度の周知についてですが、まず、入居時に説明するとともに、納付書発送時にも案内文を同封しております。

 また、前年度に減免を受けた方にも継続して文書を送っているのですけれども、その他の方につきましては、家賃なども含め、収入が下がったというようなことがありましたら、減免についてお話をさせていただいているところでございます。 以上です。 

○野村淳一議員

 公営住宅は、先ほども言ったように、低所得者の最後のセーフティーネットなのです。 

 それに、こういう制度があるのであれば、積極的に活用してください、教えてください、周知してください。  

 家賃の滞納は、場合によってはこういうことが原因になっているかもしれないのですよ。ですから、積極的にきちんと周知していただきたいと思いますが、いかがですか。 

○檜山博克・都市建設課参事

 お答えします。 

 今、議員がおっしゃったとおり、納付相談のほか、収入が下がったということが相談あり次第、減免制度について説明していきたいと思っております。 以上です。 

○野村淳一議員

 私は、具体的な金額も含めてやってほしいと言っているのですよ。それも含めて研究してください。

 そして、積極的にこの減免制度の活用を進めてください。とりあえず、きょうはこのぐらいにしておきます。  

 次に、灯油の問題です。 紋別市が納入している灯油の金額を調べてみたら、それよりも高かったのですよ。

 これはどうなのか、せめて市役所の納入金額と同じようにすべきでないかということを再質問として用意していたのですが、市長から、市の価格と同じになるよう交渉するというご答弁をいただきましたので、ぜひそうしてください。よ ろしくお願いします。 

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