2020年7月16日木曜日

不登校児に寄り添った支援を~2020年第1回定例市議会一般質問⑤

〇野村淳一議員

 次に、不登校の子供たちへの対応について質問します。 

 市政執行方針の中で、市長は、不登校やいじめ、児童虐待などの課題に適切に対応するため、スクールソ ーシャルワーカーを新たに配置するとしました。

 私は、その取り組みに期待したいと思います。 

 そこでまず、ここでうたわれている不登校、いじめ、児童虐待の現状はどうなのか、それらの件数とその対応について、まずお知らせください。 

 スクールソーシャルワーカーは、福祉的な面から児童や保護者の悩みに接近し、その困難の改善を図るのが役割だと思います。

 従来のスクールカウンセラーが子供の心のケアに重点を置くのに対し、スクールソーシャルワーカーは、子供の相談に乗りながら、学校やPTA、地域社会や医療機関、児童相談所や発達支援 センターなどとの各団体、機関をつなぎ、子供の発達を支えるものだと考えます。 

 同時に、学校側とは立場の異なる第三者として家庭に接することのできる存在でもあると考えます。  

 まず、今回、スクールソーシャルワーカーを配置した目的をお聞きするとともに、紋別市としてどのように役割を担ってもらおうと考えているのか、また、各機関との連携についてはどうお考えか、具体的な内容を含め、お尋ねします。 

 また、不登校の子供や家族が残念ながら学校側に不信感を持つケースも少なくありません。

 そんなとき、 同じ悩みを持つ保護者たちの集まりの開催や、スクールソーシャルワーカーや発達支援センターの療育アドバイザーを活用した相談会など、学校とは少し距離を置いた立場で不登校の子供や家族が相談できる集まり や取り組みも必要ではないかと考えますが、いかがでしょうか、見解をお聞かせください。  

 不登校は、その子供が悪いわけでもなく、怠けているわけでもありません。子供も親も学校に行けないことに苦しんでいます。

 そこには、先生との関係や友達との関係で悩み、何らかの障害や学習のおくれなどで苦しみ、それら複雑な理由が絡み合って、子供は心を痛めています。

 だから、つらいときは、学校を休むことも大切だ、でも、学校は君のことをずっと見守っているというメッセージを送り続けることが必要だと思っています。  

 今ここで心配なのは、不登校のまま、義務教育機関である中学校を卒業した子供たち、卒業する子供たちについてです。

 その子たちのその後の状況についてはどのように把握されているのでしょうか、そして、ど のように対応しているのでしょうか、それぞれお尋ねします。 

○堀籠康行・教育長

 それでは、野村議員のご質問にお答えいたします。 

 初めに、不登校の子供たちへの対応についてであります。  
 1点目のスクールソーシャルワーカーの配置に関し、不登校、いじめ、児童虐待の現状、件数、対応についてですが、不登校児童生徒数は、平成30年度末現在、小学生16名、中学生29名であり、いじめ実態調査に基づく認知件数は、平成30年度末現在、小学生30件、中学生18件であり、児童虐待通報件数は、本年は2月 末までの累計で30件となっております。  

 それぞれの問題に共通した対応として、積極的認知での早期の対応が必要と考えており、教育支援アドバ イザーを派遣するほか、校内及び関係機関との連携した会議などを行い、いじめや児童虐待について、重篤な事態に至ったものはありません。  

 スクールソーシャルワーカーの配置目的、役割、各機関との連携についてですが、児童生徒を取り巻く問題は、年々、多様化、複雑化している状況にあるため、社会福祉などの観点から問題解決を図ることを目的に配置するものです。 

 役割としては、福祉の視点や手法により、児童生徒が置かれた環境、特に家庭に働きかけていくことであり、関係機関との連携でも家庭への支援に関して調整や仲介を進めてもらいたいと考えております。 

 2点目の相談支援のあり方につきましては、不登校の子どもや家族が相談できる取り組みについては、スクールソーシャルワーカーにより、学校とは異なる立場での相談体制がつくられるものでありますが、多様な相談の取り組みが行われることがさらに望ましいと考えており、継続して研究してまいります。 

 不登校のまま義務教育を卒業した子供たちの把握、対応につきましては、各学校や適応指導教室を通して、卒業後の進路相談体制を設けているところであり、全日制、定時制、通信制などの個々の状況に応じた 進路実現の働きかけを行っております。 以上、答弁といたします。

【 再質問 】

〇野村淳一議員

 次に、不登校の問題についてです。 

 昨年10月25日、文部科学省から、不登校児童生徒への支援の在り方についてという通知が出されています。

 改めて言うまでもありませんが、学校に登校するという結果のみを目標にしない、不登校の時期が休養や自分を見詰め直すなどの積極的な意味を持つというふうにも述べられています。

 また、学校に対しても、 なじめない要因の解消のために学校としても必要な体制をとることを求めているのです。 

 ご答弁のとおり、ぜひ進めていただきたいのですが、一つだけです。 ソーシャルワーカーの設置を期待していますが、予算書を見ると170万円でして、これでは人件費にも充 てられません。これは何の金額なのか、教えてください。 

○浜屋武志・学務課長

 お答えいたします。 

 基本、人件費と通勤の費用となっておりまして、配置の方法としましては、週1回、1日配置することと なっております。 

○野村淳一議員

 不登校への対応、そして、教育長が言ったソーシャルワーカーに対する期待からすると、週1回ではなかなか厳しいものだと思います。

 今後、それをさらに拡大していくという見通しはいかが ですか。 

〇浜屋武志・学務課長

 お答えいたします。 

 今回、新規の事業でございます。当然、スクールソーシャルワーカーの必要性あっての配置となっておりますが、まずは、週1回でしっかりと進めていきたいと考えております。 

○野村淳一議員

 ぜひ、事業の配置も含め、拡大を進めていただきたいと思います。  

 というのは、先生方の先ほど働き方の問題もありましたが、プロの手がしっかり入ることが、子供にとっても、先生方にとっても、家族にとっても、いいことにつながると思うからで、それを進めていっていただ きたいと思います。 


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