2020年7月16日木曜日

「ひきこもり」への実態調査と支援体制の強化を~2020年第1回定例市議会一般質問④

〇野村淳一議員

 次に、ひきこもり対策について質問します。  

 昨年、内閣府が行った中高年のひきこもりに関する調査で40歳から64歳のひきこもりが全国で61万3,000人に上るとの推計値を明らかにしました。

 2016年に発表された15歳から39歳の若年ひきこもりの推計値54万1,000人と合わせると、ひきこもりの総数は115万人を上回ることになります。

 この割合を紋別市に当てはめると、150人から200人がひきこもりの状態にあると推計されるのです。 

 孤立無業状態にある50代の子を80代の親が支え、親子共倒れのリスクを抱える、いわゆる8050問題を含め、ひきこもり問題は日本社会が直面する喫緊の社会問題となっています。

 この背景には、過度の競争社会、過密労働とストレスの増大、弱者たたきの風潮の蔓延、格差と貧困の拡大、そして、見過ごされてきた障害など、日本社会の矛盾があります。 

 ひきこもりを自己責任と捉えるのではなく、この現状を放置すれば、近いうちに莫大な孤立した貧困高齢者が生み出され、深刻な社会問題を引き起こしかねません。

 孤立状態にある人や家族の相談に乗り、訪問、 ケア、就労支援をするなど、社会的支援の体制については、国の責任のもと、市町村の取り組みで構築していくことが急ぎ必要となっているのです。

 国も自立相談支援の機能強化のためのアウトリーチによる支援事業を始めるとしています。 

 そこで、現在、紋別市のひきこもりの現状をどのように理解し、認識しているのか、お聞きします。

 その上で、紋別市のひきこもりへの対策の現状はどのようになっているのか、お尋ねするものです。  

 その上で、私として幾つか提案したいと思います。 まず、何より必要なのは現状の把握です。

 少しでもひきこもりの現状をつかんでいるだろう各関係機関、 すなわち、地域包括支援センター、保健センター、障がい者相談支援センター、民生委員、社会福祉協議会、自立支援サポートセンター、若者サポートステーションなどによる現状の把握と認識の共有化を図ることであり、そのための協議体をつくることです。

 そして、担当する部署、窓口を明確化し、たらい回しにし ない、断らない相談体制を確立することです。

 そのためにも、専門的な知見を有するひきこもりサポーターを養成するとともに、当事者や家族の孤立を防ぐ居場所づくりを進めることです。  

 当然、現在策定中の紋別市地域福祉計画にもひきこもり対策が明記されると考えますが、これらの提案を含め、紋別市としてひきこもり対策をどのように進め、展開しようとしているのか、お聞きするものです。

〇宮川良一市長

 次に、ひきこもり対策についてであります。  

 本市におけるひきこもりの理解と認識についてですが、ひきこもりの状態にある方は社会生活から孤立しており、その家族も周囲に状況を隠し、SOSを発信しないことでひきこもりの長期化につながるなど、ひきこもり対策は社会全体の課題であると理解しております。

 本市の現状といたしましては、紋別市社会福祉協議会や各関係機関等に、例年、ひきこもりに係る相談が数件あり、随時対応しておりますが、経済的困窮や虐待等の複合的な問題を抱え、複雑化、長期化しているケースもあることから、相談支援体制の見直しが必要であると認識しております。 

 今後の対策につきましては、まずはひきこもり支援等検討委員会を設置し、当事者やその家族が早期の段階で相談できるよう担当窓口を明確化し、広く周知を図るとともに、実態調査を行い、調査結果を分析、検討の上、専門的で包括的な支援体制を構築してまいります。

【 再質問 

〇野村淳一議員

 次に、ひきこもりの問題についてです。  

 この問題は、市長からもご答弁をいただきましたが、社会全体の課題だという認識ですので、ぜひ取り組 んでいただきたいと思います。  

 ただ、ご答弁の中で検討委員会という名前が出てまいりました。そして、実態調査を行うという話や専門的な支援体制をつくるという話もありました。

 取り組みのメニューが幾つか述べられたのですが、具体的に教えてください。 

○大平一也・社会福祉課長

 お答えいたします。 

 具体的な取り組みにつきましては、検討委員会の中で検討を重ね、進めていきたいと思っているのですけれども、まずは、紋別市におけるひきこもりの実態調査を行いまして、その結果を調査、分析した上で、必要なサポート体制の構築に努めてまいりたいと考えてございます。 

○野村淳一議員

 この問題は意外と深刻だと思っています。8050問題を含めて、なかなか表面に出てこな いものでもありますし、なかなか実態が見えない問題であります。

 しかし、当事者やそのご家族は深刻な悩みを抱えているというのも事実です。 これが発見され、8050となったときにはもう支援の手がないということもあり、これこそ早期の発見と早期の支援が必要ですので、今言ったように、検討委員会では、実態調査も含め、ぜひ進めてください。よろ しくお願いします。  



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