2020年7月19日日曜日

大規模風力発電について考える

 

 今回の視察の目的の一つに、大規模風力発電事業について学ぶことがありました。

 北見市と網走市をまたぐ常呂町の山腹に大規模風力発電の計画があるのです。

 私にとっては隣町のことではあったのですが、私の友人でコムケ湖のラムサール登録に向けて活動している彼が、この発電計画に否定的な意見書を提出したと聞き、急に興味を持ちました。

 そこで調べてみると、実は道内各地で大規模風力発電の設置計画が目白押しであることがわかってきました。

 そこには単に再生可能エネルギーの発展にとどまらない何か重大なことがあるのではないか、以前から語られていた自然や人体への影響についてはどうなのかなど、しっかり知ることが必要だ、と感じてきました。

 現に紋別市でもソーラーパネルが林立し、大規模な木質バイオマス発電所が開設され、もはや他人事ではありません。

 そこで今回、風力発電の問題で広く調査研究している北海道自然保護協会理事で大規模風力発電問題研究会の佐々木邦夫氏にお会いすることにしたのです。

 
 豊富町から稚内市に移動し、佐々木氏とも2時間近くじっくりと意見交換させていただきました。

 常呂・能取風力発電事業にかかわる資料も作ってきてくださり、風力発電の課題と問題点を学ばさせていただきました。

 とにかく驚いたのは、その開発計画のすさまじさです。なぜ、これほどまでに大規模風車が林立するのか。
 

 そこに見えてきたのは、日本のあるべきエネルギー政策の将来像というより、再生可能エネルギーの名のもとに、地域の自然に大きな負荷を与えながら、大手企業が利潤を吸い上げる構造になっているのではないのか、ということであり、

 ましてや生物の多様性や人の健康への畏怖の念もないまま、利益優先の規制なき無秩序な開発になっている姿ではないのか、ということでした。

 佐々木氏の明快な話に、それらを強く感じました。

 再生可能エネルギーの拡大は重要な課題です。それだけに、住民としての監視が大切です。

 「エネルギーの地産地消」こそが重要な課題です。

 北海道のこの風景も、この自然も、そこに住む人々の暮らしも、みな生かされてこそ再生可能エネルギーの価値があるはずです。

 簡単なテーマではありませんが、今回いろいろと考えさせられました。これを機会に私も勉強しなくては、と思っているのですが……
 

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