2022年3月29日火曜日

障害者の就労と暮らしを支えるために~2021年第3回定例市議会一般質問③(21,9,7)

 〇野村淳一議員

 最後に、障害福祉について質問いたします。 

【 紋別版「障害者就業・生活支援センター」の創設について 】 

 第1に、障害者就労の拡大に向けた取組についてです。

 市長は、今年度の市政執行方針において、障害者の就労拡大に向け、具体的で実効性のある取組を展開するため、専門的な知識、経験を有する人材を職員として登用するとしました。

 私もその方向を提案してきた一人でもあり、期待を強めておりました。 

 まず、その動きと現状についてお知らせください。 

 同時に、今回の補正予算案の中に障害者就労支援事業業務委託として400万円余りと 債務負担行為として3年間で2,963万円ほどが計上されています。

 これは、説明によると、道が指定する障害者就業・生活支援センターと同等の就労等支援業務だとされています。 

 障害者就業・生活支援センターとは、障害者の雇用促進を目的として、障害者と企業を支援する専門機関であり、道内11事業所、管内では社会福祉法人川東の里が道から委託を受け、北見市内で運営しているものです。

 この事業を一市町村が独自に運営するというのは極めて前例のない取組です。 

 そこで、紋別市として、この事業に取り組むとした背景と目的及び事業の内容、さらに、委託先事業所の選定と委託金額の根拠について、それぞれお尋ねいたします。 

 言うまでもなく、就労を希望する障害者にとっても、この方を受け入れようとしている企業にとっても、このセンターが存在することが大きな希望となるのは間違いありません。

 それだけに紋別市の積極的な取組を評価しつつも、運営に当たっては十分な検討と紋別高等養護学校や市内障害福祉関係機関との連携協議が重要になると考えます。

 その点での認識とそれらの状況についてお尋ねいたします。 

【 総合戦略KPI目標と相談支援事業について 】 

 次に、KPIと相談支援事業についてです。 

 紋別市は、今年度、障害者の相談支援業務の委託先を拡充するとしました。この問題で、3月の議会で、阿部議員が、相談支援事業の拡充と総合戦略のKPI、すなわち相談件数を削減するとした目標との整合性をただしたのに対し、市長は、あくまでKPIどおり、相談件数の減少を目指すとしました。 

 しかし、相談支援事業所を拡充する背景には、ひきこもりや社会的孤立、経済的困窮など、様々な複合的な問題が生じており、時間的・人的負担が増加しているからだと市長自らが述べています。 

 これ自体、相談件数が増加していることの証左であり、複合的な相談ニーズが明らかに増えているからではありませんか。

 相談件数を750件から600件に減らすなどとしたKPIは既に破綻しており、困ったら気軽に相談できる仕組みと増加する相談事にしっかり寄り添える人的配置こそ必要だと考えます。

 その立場こそ、誰一人取り残さない紋別市をつくる姿ではないでしょうか。

 相談件数を減らすとしたKPIの見直しを改めて求めるものですが、いかがお考えか、お尋ねいたします。 

【 日中一時支援事業の報酬単価見直しを 】 

 次に、日中一時支援事業についてです。 

  昨年の12月議会で、私は、日中一時支援事業の報酬単価の引上げを提案いたしました。

 市長は、答弁で、それは利用者負担の増額にもつながるため、近隣市町村の状況も調査するなど、見直しの必要性も含め、検討するとしておりました。 

 この日中一時支援事業は、障害者や障害児の日中における活動と見守りの場として、市内でも50人以上の方が利用している、今やなくてはならない事業となっています。 

 しかし、この事業が開始されてから16年間、単価が据え置かれたまま、事業所は赤字の状況が続く中、この事業の存続さえ危ぶまれているのではないかと思います。

 そうならないためにも、報酬単価の引上げを含め、何らかの対応が必要です。

 日中一時支援事業の実態と併せ、報酬単価について検討するとしたその結果と内容についてお聞かせください。 

【 障害者への配食サービスの拡大を 】

 最後に、障害者への配食サービスについてです。 

これも令和元年の12月議会で障害者への配食サービスについて取り上げ、従来の身体障害者だけでなく、調理が困難な知的障害者や精神障害者も対象にすべきではないかと提案いたしました。

 その際、市長は、利用者のニーズや必要性を把握し、市内相談支援事業所にも意見を求めながら研究していくと答弁されました。 

 在宅で自立していくための手助けとして配食のサービスがあればと願う知的・精神障害者も少なくないと聞いています。

 その後、どのような調査と検討がなされたのか、その結果の方向性についてお聞きするとともに、改めて必要な知的障害者、精神障害者にも配食サービスの実施を求めるものですが、いかがでしょうか、見解をお示しください。 


【 答弁 】

〇宮川良一市長

 次に、障害福祉についてであります。 

 1点目の障害者の就労支援と業務委託事業についてであります。 

 専門的な知識・経験を有する人材を職員として登用する動きと現状につきましては、 障害福祉関係機関等を通じ、人材の確保に向けての取組を進めてまいりましたが、市職員として直接雇用することは難しい状況であるため、障害者の就労支援に関する業務を外部委託することに方針転換したところであります。 

 市として就労支援事業に取り組む背景と目的についてですが、就業及び生活面の一体的な支援を行う機関として、都道府県知事から指定する障害者就業・生活支援センターは、遠紋圏域に設置されておらず、本市における障害者就労支援が円滑に進まない状況となっております。 

 そのようなことから、第2期総合戦略においても重点施策としております障害者就労の拡大を進めるに当たり、障害者就業・生活支援センターと同等の業務を委託することで障害者が自立した社会生活を紋別市に定着して営むことができるようにすることを目的とした障害者就労支援事業業務委託について、本議会の補正予算として提案したところであります。 

 事業内容につきましては、就職に向けた準備支援、職場定着支援、障害者特性を踏まえた雇用管理に関する助言、各関係機関との連絡調整などの業務を実施することで、障害者の市内就労と定着を確立させてまいります。 

 委託先事業所の選定につきましては、紋別市内に事業所を有する法人で、障害福祉サービス事業所の指定を受け、道内での事業運営実績がある事業所と考えております。 

 委託金額の根拠につきましては、障害者就業・生活支援センターを参考としております。 

 高等養護学校や市内障害福祉関係機関との連携協議につきましては、当然重要と認識しており、雇用と福祉のネットワークの構築に向けて、業務委託の中でも積極的に取り組んでまいります。 

 2点目のKPIと相談支援についてでありますが、相談件数を減らすKPIの見直しを求めることにつきましてはさきの第1回定例会で阿部議員のご質問にお答えしたとおりで、相談支援事業の拡充については複合的な相談ニーズに対応できる支援体制の構築につなげることを目的としており、相談件数の増加を目指すものではありません。

 今後とも、地域や身近な人が支え合い、安心して暮らせる地域共生社会の実現や障害福祉サービス全般の充実を図ることで、日常的な不安や悩みに関わる相談件数の減少を目指しておりますことから、KPIの見直しについては考えておりません。 

 3点目の日中一時支援事業についての報酬単価の引上げについてでありますが、市内事業所との意見交換や近隣市町村の実施状況について調査研究しているところであり、その結果をまとめた上で今後の方針について内部協議を進めてまいります。 

 4点目の障害者への配食サービスに関し、調査検討内容、その結果と方向性についてですが、障害者相談支援事業所や近隣市町村との意見交換、医療機関からの問合せ等により、知的・精神障害者のニーズが増えてきていると認識しており、対象者を拡大する方向で内部協議を進めております。

 引き続き、対象者を拡大する場合の課題や世帯構成員の利用要件等を精査するなど、実施に向けて検討してまいります。 


【 再質問 】

〇野村淳一議員

 最後に、障害者の話についてです。 

 日中一時支援事業については調査を行い、内部で検討するということでした。

 これは私が提案した報酬単価の引上げという方向で検討しているという認識でよろしいでしょうか。 

 ○大平一也社会福祉課長

 お答えいたします。 現在、報酬単価の引上げを含め、各事業者に聞き取り、意見交換をしているところでありまして、単価も含め、検討しているところでございます。 

 ○野村淳一議員 

 ぜひ引上げに向けて検討してください。

 事業を継続すること自体が困難になっているところが少なくありませんし、これをなくすわけにはいきません。 

 2016年、2017年から同じ単価なのでしょう、消費税も上がり、スタッフの皆さんの賃金だって上げていかなければならない状況なので、ぜひ実態に合わせてやっていただきたいと思います。 

 配食サービスについては、ニーズが増加しているということで、実施に向けて検討したいという話でしたので、これはそちらに向けてぜひ頑張ってください。 

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