2022年3月30日水曜日

公営住宅の安全・安心を~2021年第4回定例市議会一般質問③(21,12,7)

〇野村淳一議員 

 次に、公営住宅について質問します。  

【 公営住宅の削減計画は妥当なのか 】

 令和2年に紋別市公営住宅等長寿命化計画が策定されました。これは、平成26年度 に計画期間10年間として策定された公営住宅等長寿命化計画が5年を経過し、全面的に改定されたものです。 

 これによると、令和元年度の公営住宅管理戸数1,158戸を10年後の令和11年度までに339戸を削減する計画となっています。

 さらに、令和21年度までの長期計画では、約半数の633戸にまで管理戸数を減らす計画です。

 一方で、新しい公営住宅の建設は3棟目のまちなか公住の30戸のみでしかありません。 

 確かに人口は減少傾向にあるでしょうが、一方で、高齢者と低所得層の増加は否めないのが現実です。

 住宅に困窮する低所得者に対して、低廉な家賃で賃貸し、国民生活の安定と社会福祉の増進に寄与するという公営住宅の目的を果たす上で、果たしてこれら管理戸数削減の計画は妥当なのか、その根拠と考え方をお聞かせください。 

【 南ケ丘団地の縮小と改修について 】 

 

南ケ丘団地

 その中でも、南が丘団地についてお聞きします。 

 この計画では、3号棟と5号棟のみを残し、他の5棟を廃止するとして、172戸を60戸に減らす計画です。

 改めて、この計画について入居者の理解と合意は得られているのかを聞くとともに、その移転先はどうなるのか、入居者の意に沿った形で移転が行われるのか、それぞれお聞きします。 

 また、南が丘団地では、当初、全面的改善がされるとなっていたものが、残る3号棟、5号棟とも個別改善に変更されています。

 この変更理由とともに、個別改善の内容をお知らせください。そして、懸案となっていたエレベーターの設置については検討されているのかどうかも併せてお聞きします。 

【 落石5丁目団地の修繕計画について 】 

 次に、落石5丁目団地についてです。 

 平成26年度に策定された長寿命化計画では、令和4年から3年間にわたり計画修繕が実施される予定だったと思いますが、令和2年の計画ではその記述がなくなっています。

 落石5丁目団地についてはどのような対応となるのか、お尋ねします。 

【 公営住宅の家賃と灯油価格について 】 

 公営住宅の家賃についてお聞きします。 

 まず、家賃の減免制度についてですが、その取組の現状と周知の方法についてお聞きします。

 また、収入が基準より多い収入超過者に対しては別の家賃が設定されていると思いますが、その基準と収入超過者の現状及びその対応についてお尋ねします。 

 公営住宅でも灯油価格の高騰が問題になります。特に、南が丘団地やまちなか公住などでは、紋別地方石油業協同組合により一括して灯油が供給され、全戸一律の料金となっています。

 したがって、入居者は自由に業者を選択できない仕組みです。 

 さきに私がこの問題を質問した際、紋別市への納入単価より高く設定しているため、市への納入単価と同じようにするよう交渉するとしておりました。

 その後の対応はどうなっているのか、そして、現在の灯油価格はどのようなものか、それぞれお尋ねします。 


【 答弁 】

〇宮川良一市長

 次に、公営住宅についてであります。 

 1点目の紋別市公営住宅等長寿命化計画についてでありますが、計画的に公営住宅の整備、活用を進めるため、公営住宅全体の整備プログラムや実施方針を示したものになっており、現計画は、令和2年3月に見直しを行い、計画期間は令和2年度から 11年度までの10年間となっております。

 当該計画の妥当性、根拠、考え方に関し、公営住宅の需要の見通しについてですが、 将来人口、世帯数等の推計を基に、住宅を自らの収入で確保することができない借家世帯数を推計しております。

 この推計方法は国立社会保障・人口問題研究所の将来人口を基に国土交通省が定める公営住宅等長寿命化計画策定指針にあるストック推計プログラムを用いたものであり、当該計画における公営住宅の管理目標戸数は住宅を自らの収入で確保することができない借家世帯数を上回るように想定していることから妥当であると考えております。 

 南が丘団地における改修等の計画についてですが、本年2月に入居者への書面による説明会を実施し、15件の質疑を受け、回答したほか、電話による個別対応も行い、3月には全入居者の意向調査を完了したことから、理解と合意が得られたものと認識しております。 

 また、移転先については、ほとんどの入居者は、希望する他の公営住宅等へ移転することとなりますが、新築予定のまちなか団地C棟への移転希望者が30戸に対して32世帯いることから、2世帯については近隣のまちなか公営住宅等へ移転できるよう調整してまいります。 

 南が丘団地の3号棟及び5号棟を個別改善に変更した理由についてですが、前計画においてエレベーターの設置を考えていたことから全面的改善としておりましたものの、エレベーターを設置した場合、複数台の配置や渡り廊下の増設など、本来の大規模な改修工事に加え、さらなる費用負担が伴い、建設費の高騰、保守点検費用等が発生するほか、入居者が負担する共益費が増加することから個別改善としたところであります。 

 しかし、将来にわたって住みよい居住環境とするためにはどうしたらよいか、また、新築した場合との費用対効果の比較を含め、再度検討してまいりたいと考えております。 

 落石5丁目団地につきましては、前計画では3年間の計画的な修繕としておりましたが、紋別市洪水ハザードマップの土石流危険渓流に近接していることもあり、当該団地の在り方を検討するため、計画的な修繕を見直し、随時に対応することといたしました。 

 しかし、建設後30年から45年を経過し、耐用年数を超過していること、ほとんどの住棟が令和3年5月21日に北海道が指定した土砂災害警戒区域となったことから、紋別市公営住宅等長寿命化計画を再度見直し、移転、建て替え等を検討してまいりたいと考えております。 

 2点目の家賃の減免制度と収入超過家賃についてでありますが、減免制度については、令和3年11月末時点で、入居戸数846戸に対し、減免件数は159件、約19%が該当となっております。 

 周知についてですが、令和2年5月に全戸に文書配付による周知を行ったほか、新規入居者に対してはパンフレットによる説明を行っております。 

 収入超過者の家賃の基準と現状につきましては、引き続き、3年以上入居しており、条例で定める基準を超える収入のある場合であり、現在、66世帯を収入超過者として認定し、収入を勘案した割増し家賃となっております。

 収入超過者への対応についてですが、収入超過者認定通知書を交付し、明け渡しを促しております。 

 3点目の公営住宅の灯油価格についてでありますが、令和2年第1回定例会閉会後に、紋別市への納入単価と同額となるよう、紋別地方石油業協同組合との交渉を行い、了承を得ており、同年4月より適用されております。

 なお、令和3年12月1日現在の税抜き単価は108円となっております。 


【 再質問 】

〇野村淳一議員

 次に、公営住宅に関し、南が丘と落石5丁目団地についてお聞きします。 

 先ほどの市長の答弁のうち、南が丘団地についてですが、エレベーターのことについて答弁がありました。

 今の長寿命化計画では、南が丘団地の3号棟と5号棟を残すのですが、そこにはエレベーターの設置についての記述はないのです。

 しかし、市長の話では、エレベーターの設置について、再度、それらも含めて検討するというご答弁でした。 

 その辺の中身についてもう一度ご答弁ください。 

 ○加川安明建設部長

 お答えいたします。南が丘団地の3号棟と5号棟のエレベーターの関係についてです。 

 前回の計画におきましては、市長答弁にありましたように、エレベーターを含む全面的改修としておりましたけれども、エレベーターの設置には改修も含めた多大な費用がかかります。

 また、エレベーターを個別にした場合、入居者の共益費が増加するということがありますことから難しいと判断し、エレベーターを抜いた個別の改善に今回したところであります。 

 しかしながら、今、入居者の方には高齢者の方が多いところです。その方々の将来にわたっての住環境や利便性の向上を長きにわたって図るため、エレベーターの設置も含めて再検討したいと考えております。 

 ○野村淳一議員

 場合によっては、新規建て替えということも含め、検討は必要な状況ではないかなと思っていますので、その方向で検討してくださいますよう、よろしくお願いします。 

 それから、落石5丁目団地についてです。 

 ここは洪水ハザードマップによると土石流の危険地域です。それから、新しく土砂災害の危険地域となって、用途廃止となっていたのです。

 そのため、市長からは、先ほどの答弁で、移転、建て替えを検討するということでありました。

 これも今の計画と全く違う内容の答弁です。 

 土砂災害の危険があるのに、用途廃止で、10年間そこにいるとはなりません。何かがあったら大変ですから、直ちに、移転、建て替えというのは当然だと思うのですが、そのような理解でよろしいですね。もう一回ご答弁ください。 

 ○加川安明建設部長

 お答えいたします。 今、野村議員がおっしゃったとおり、北海道が5月に土砂災害警戒区域内を指定しましたが、その中にほとんどの住宅が存在することになったところであります。 

 ここにつきましては、10年後の次回の見直しの際、どうするかという検討をすることになっておりましたけれども、土砂災害警戒区域になったこと、また、落石5丁目につきましては設備や立地条件があまりよくないということで、公募してもなかなか入居者が集まらないということもあります。

 その理由ですが、アンケートを取りましたところ、設備や立地条件がちょっと悪いということです。

 なお、今は、入居者を募集した場合、設備や立地条件がいい緑町等が集中的に応募されているということもありますので、移転、建て替えも含めて検討し、入居者の利便性の高い住宅を供給したく、再度検討してまいりたいと考えておりました。 

 ○野村淳一議員

 そういう形で、随時、計画も見直しながら進めていただきたいと思います。 

どちらにしても、昨年つくった長寿命化計画で、今、私が質問をして分かったとおり、内容が変わっているのですよ。

 それはちょっといかがなものかなという気がしています。

 いずれにしても、内容そのものは前進していると私は理解しますので、ぜひその方向でやっていただきたいと思います。 

 それと、家賃の問題で一つ教えてください。

 収入超過家賃についてです。 紋別市営住宅条例を見ると、収入超過家賃について、近傍同種の家賃と書いてあるのです。

 近傍同種というのは、同じ地域の同じような形態の住宅と同じくらいの家賃だという意味ですよね。 

 ある方から伺ったのですが、まちなかの団地で、月10万円という家賃になっている方がいます。

 収入は400万円に行くか行かないかです。

 もちろん、この方は超過しているのですよ。

 しかし、紋別市内で、近傍同種といっても、2LDKでそんなところがあるのかなと思いましたし、なかなか実感できないのです。 

 確かに、超過家賃ですから、できれば出てほしいということはあるのでしょうけれども、近傍同種の家賃となっていて、月10万円というのはちょっと理解できないところがあります。それについて教えてください。 

 ○髙橋正明都市建設課参事

 お答えいたします。 近傍同種家賃というものは、当該公営住宅と同等の賃貸住宅の利用対価として、通常、入居者が支払うべき賃料として算定することとなっております。

 この算定につき ましては、不動産鑑定評価基準の理論に沿って、積算法により算定することになっております。 

 先ほど議員がおっしゃられたとおり、2LDKの民間の賃貸住宅、アパートにはそういったものがないとおっしゃっておりましたけれども、公営住宅としては、最近、まちなか幸団地、まちなかメモリアル団地が建ちました。

 こちらは確かに10万円を超えているのですけれども、この建物は鉄筋コンクリートの中高層となっています。

 これと同等のものということですが、実際には紋別市内にはなかなか存在しません。

 そういったことから、先ほど申しました不動産鑑定評価基準の理論に沿って、積算法により算定しているのが実情です。 

 ○野村淳一議員

 そういう基準なのでしょうけれども、ただ、条例には近傍同種と書いてあるわけです。

 6万円を超える家賃の住宅、アパートは紋別にはそうないですから、どうなのかなと思っていました。

 ただ、今言った法令の基準に基づいて計算しているということなのですね。 

 


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