2014年7月3日木曜日

2014年第1回定例市議会報告②―高齢者福祉について

○野村淳一議員
 高齢者福祉について質問します。
 市政執行方針の中で、高齢者福祉について、高齢者の方々の権利を擁護するため、成年後見人制度の利用に向けた取り組みを強化すると述べ、さらに除雪サービスを拡充するなど、在宅福祉サービスの一層の充実を図るとしています。

 成年後見人制度も、除雪サービスも、どちらも重要な課題であり、緊急性の高いものです。私もこれまで、これらの拡充について幾度と取り上げてまいりました。

 成年後見人制度の強化と除雪サービス拡充について、その内容と取り組みについてお聞きします。

 その上で私は、介護保険事業と高齢者福祉の関連について、かねてから疑問に思っていたことがあります。

 それはなぜ、この2つの事業が介護保険課と社会福祉課の別々の課で執行されているのかという点です。

 介護保険事業と高齢者福祉はまさに表裏一体であり関連しています。というより、表裏一体でなければならないものです。

 高齢者全体の利益と切れ目のないサービス、安心と生きがいのために当然一元化された組織が必要です。

 他の市の多くが介護福祉課というように、介護保険事業と高齢者福祉を統一しています。それが合理的であり、効率的だからではないでしょうか。

 紋別市もより機能的な事業を展開するために、高齢者全般に対応した組織に一本化すべきと考えますが、いかがお考えかお伺いします。

 介護保険事業と高齢者福祉を考えるとき、社会福祉協議会の存在を抜きには語れません。

 これまで紋別市社会福祉協議会は紋別の介護保険事業を支えてきました。しかし、今その社協が厳しい財政状況に立たされ、訪問介護と居宅介護を中止せざるを得ない事態となりました。

 その上で社協は、地域福祉の向上と人材育成など社協本来の役割を構築するとして事業再編案をまとめ、紋別市も支援の拡大を決めました。

 今、地域福祉には多様で新たなニーズが拡大しています。従来の高齢者、障害者、児童という枠組みでは捉えられない、制度のはざまで制度からこぼれていく、孤立と貧困、格差が拡大しています。

 自己責任の名のもとに、助けてと声に出すことさえできない息苦しさが広がっています。

 行政にできない社協の役割は、まさにそこに接近することであり、行動することだと私は思います。地域の福祉力を高めるとともに、実践行動する社協を期待したいのです。

 そこで今回、社協のまとめた事業再編案に対する紋別市の認識と今後の取り組みについてお聞きします。同時に、社協の介護事業縮小に伴う影響と介護職員など人員の対応についてもお知らせください。


○宮川良一市長

 成年後見人制度の強化につきましては、さきに飯田議員並びに宮川議員のご質問にお答えしたところでご理解願います。

(宮川議員への答弁~平成24年度には弁護士などの専門職や福祉関係者などによる意見交換会を開催し、25年度には紋別市成年後見制度利用支援ネットワーク会議を設置し、本制度の普及や体制整備に向けて取り組みを進めてきたところです。市長申立てにつきましては本年度1件申し立てを行ったほか、さらにもう1件を予定しているところです。今後とも、関係機関との連携を密にしながら本制度の利用支援に向けた取り組みを強化してまいります。)


 なお、平成26年度一般会計予算及び介護保険事業特別会計予算におきまして、今後の市長申立件数の増加を見込み、家庭裁判所に対する市長申し立て費用及び後見人報酬助成費用などの成年後見制度の関係費用を増額計上し、より多くの対象に対して支援を行うことができるよう予算の拡充を図ったところであります。


 次に、除雪サービスには、これまでは12月から3月までの期間において、5回を限度としてサービス提供を行ってきたところでありますが、昨年11月、紋別市在宅高齢者等除雪サービス事業実施要綱を改正し、その年の積雪状況などに応じて柔軟に対応できるよう制度の見直しを図るとともに、サービス提供の空白地域を可能な限り縮小していくため、業務委託料単価の見直しを行ったところであります。

 介護保険事業と高齢者福祉の統合につきましては、本市の現状では、高齢者に対する各種の支援制度やサービス提供に当たり、介護保険課、健康推進課及び社会福祉課などが連携し、それぞれ所管する業務について対応しているところでありますが、今後ともより効率的な組織体制の構築に向けて検討してまいります。

 社会福祉協議会の役割につきましては、初めに社協の事業再編案に対する市の認識と今後の取り組みは、さきに飯田議員のご質問にお答えしたことでご理解願います。

(飯田議員への答弁~運営体制や運営方法の改善内容につきましては、社協において既に法人内における事務事業の改廃検討や組織体制の見直しなどに取り組まれており、今後の事業展開の方向性としては、介護保険事業の一部を休止するとともに、ボランティア活動などにかかわる人材育成や地域の見守り体制づくりなどに重点を置き、本来社協が担うべき地域福祉の推進に軸足を置いた事業展開を目指すものと伺っております。)

 次に、事業縮小に伴う影響と人員の対応は、今回社協が休止することとした事業は介護保険事業にかかわる居宅介護支援事業及び訪問介護事業でありますが、これらの事業は市内において居宅介護支援事業所が6か所、訪問介護事業所が7か所あり、これらの事業所において利用者の受け入れが基本的には可能であり、社協におきましても利用者に対して責任を持った対応が図られるものでありますことから、利用者の方々がこうむる影響は最小限にとどまることができるものと考えております。

 また、事業休止に伴う職員への対応につきましては、社協において、これまで複数回にわたり、居宅介護支援事業及び訪問介護事業などに携わる職員に対し、法人としての今後の処遇方針について説明をされており、引き続き雇用を希望する職員につきましては、配置転換などにより可能な限り継続して雇用する方針であると伺っております。

○野村淳一議員
 成年後見についてお聞きします。
 昨日も議論がありましたが、その中で、先ほど答弁にもありましたが、市長申立てというのがあって、1件今年実現されたと言われました。

 この市長申立てが1件、極めて画期的なことだと思いますが、一体これは何なのか、これはどういう意味を持つのか教えてください。

 同時に、この成年後見の相談する、気軽に相談する窓口がどうしても必要です。周知をし、啓発することが必要です。この窓口設置についても教えてください。

 それからもう一点、成年後見とはまた別に、社会福祉協議会が行っている権利擁護事業に日常生活自立支援事業というのがあります。この実績と内容について教えてください。

○富樫豪志社会福祉課長兼参事
 それでは、お答えいたします。
 まず、成年後見制度における市長申立ての意義についてでございます。

 この制度につきましては、通常成年後見制度にかかわる申し立てを行う方というのは、4親等以内の親族、配偶者などが行うものでございます。

 しかしながら、残念ながら、そういった方々がいらっしゃらない65歳以上の高齢者、あるいは知的障害、精神障害を抱える方々については、こういった親族等にかわりまして市町村長が申し立てを行うというものでございます。

 この制度の意味につきましては、権利擁護の申し立てを行われる方々がいない場合に、いないからといって、その方々の権利をそのままの状態に放置することなく、権利を擁護していくという重要なものであるというふうに認識しております。

 私どもでは今、今年度に入りまして1件申し立てをさせていただきました。

 今後につきましても、弁護士などの専門職の方々とご協議をさせていただきながら必要な対応を図ってまいりたいというふうに考えております。

 次に、窓口の設置についてであります。
 先ほど市長からの答弁でもございましたが、一貫して成年後見にかかわる支援を行う体制づくりというものは必要だというふうに認識はしております。

 私どもの方ではネットワーク会議を設置しまして、この部分につきましても今後どのような形で、どのような時期に、どのような団体がしかるべく対応できるのかという部分につきまして協議を図りながら、周知なども含めまして、この制度が市民に広く浸透していけるような体制づくりに取り組んでまいりたいというふうに考えております。

 さらに、権利擁護事業の部分で日常生活自立支援事業の実績等、それとこの内容についてでございます。

 この日常生活自立支援事業につきましては、現在道社協のほうで対応しておりますが、こちらのほう、市町村社協のほうに業務を移管していくという流れの中で、今、平成26年度から紋別市社協においてもこの事業を道社協から受託するというふうに伺っているところでございます。

 この制度は、成年後見まではいかなくて、みずから契約締結能力のある方々ではありますものの、その金銭管理ですとか医療福祉サービスなどの手続きなどに自信の持てない方を支援していく制度でございまして、いま紋別市内では4件の取り扱いがあるというふうに確認をさせていただいております。
 
 

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