2014年10月3日金曜日

タンカー事故に備えて―防災訓練で

 9月25日、紋別市の総合防災訓練が行われ、視察してきました。

 今回の訓練の想定は、宗谷海峡を航行する10万トンのタンカーの衝突事故により、原油5800トンが流出し、二日後に紋別付近沿岸に漂着するというもの。

 会場となった海洋公園で、もっとも目につくのが巡視船「れぶん」。今年1月に稚内に就航したばかりの大型新造船です。



 この日は、船体に装備されている遠隔放水銃による油撹拌作業や油回収装置を船体に設置しての油回収訓練も実施されました。

 紋別海保の巡視船「そらち」は350トンですが、巡視船「れぶん」は1250トンとはるかに大きく、いざというとき頼りになりそうです。

 さて岸壁では、漂着した油を回収する訓練が行われました。

 オイルフェンスを張り、油吸着マットを使い、まさに人海戦術です。



 
 途中、具合が悪くなった人が出たという想定で、救急車も出動。また、ガリンコ号でも緊急事態が発生したという想定で救命いかだを使用した訓練も行われました。



 
 もちろん訓練なので、段取りがされ、人員も配置され、シナリオもできあがっており、少々緊張感に欠けるところもありますが、それでも、ひとつひとつの手順を確かめておくことは、重要です。

 サハリンにおける油田開発はますます拡大し、タンカーの往来も頻繁です。油流出事故は、まさに想定外ではありません。

 17年前、タンカー「ナホトカ号」の事故により原油が流出。日本海沿岸に漂着し、多大な被害が発生した事件を記憶している人も多いと思います。

 その数年後、私は被害の大きかった福井県三国町を視察しました。事故が起きた1月、寒風吹く中、町民とボランティアで一つ一つの石にこびりついた重油を拭き続けた様子を聞いてきました。あらためて、災害への備えが必要だと実感したものでした。

 御嶽山が噴火しました。多くに犠牲者が出ました。今日もテレビで、救助の模様が映っています。雨が降り出して、心配です。

 何の前触れもなく、突然の噴火。心が痛みます。

 自然の猛威の前に、人はあまりに無力です。自然災害は、時も場所も選びません。

 でも、その被害を最小限にくい止める知恵はあるはずです。犠牲者の冥福を祈りながら、その努力を続けなければと強く思っています。


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