2017年12月28日木曜日

市職員の収賄事件をただす~2017年第2回定例市議会一般質問①

○野村淳一議員
  宮川市政として4期目を迎えられました。

 市長は、所信表明で、誰もが心豊かに幸せを実感できるまちづくりを進めてまいりますと述べています。


 私も同じ立場で、これからもためらうことなく、1議員として宮川市政を監視、チェックしながら、お互い住み続けてよかったと誇りを持って言えるまちづくりのために、よいものはよい、悪いものは悪いと引き続き活発な議論ができればと願っております。

 それでは、さきに通告いたしておりました順に従い質問させていただきます。なお、さきの質問者と重複する項目がありますが、私なりに質問させていただきます。

 最初に、市職員の収賄事件についてお聞きします。
 
 去る5月12日、紋別市職員が加重収賄の容疑で逮捕され、6月2日に起訴、さらに7月3日詐欺と脅迫により再逮捕されるという事件が発生しました。

 市職員が逮捕され、市役所が家宅捜索を受ける事態に市民は大きな衝撃を受けるとともに、なぜこんなに不祥事が続くのか、市役所はどうなっているのかと不信を強めています。

 事件の全容は、今後の捜査や公判に委ねられると思いますが、市民の信頼を回復するためにも、市としてもなぜこのような事件が発生したのか、その背景とチェック体制を検証し、再発防止に向けた真剣な取り組みが求められていると思います。

 5月13日、市長は記者会見で、平成27年秋ごろから当該職員への匿名の投書が3回ほどあったと述べています。そこでまず、この投書の内容と、その投書に基づきどのような対応をしたのかお聞きするとともに、紋別市としての事件に対する調査状況についてお尋ねします。

 7年前の2010年3月、元市職員による公金横領事件が発覚しました。そのときも、まさに大きな衝撃が走りました。この事件を受けて、紋別市としてもチェック体制の強化と再発防止に向けた努力が始まりました。

 その年の9月に不祥事防止アクションプランを作成し、翌2011年3月に市職員倫理規程と市職員等からの公益通報に関する規程を制定し、2012年3月には職員不祥事検証報告書及び再発防止計画書を公表しました。そして、2015年4月、紋別市職員等の倫理及び公正な職務の執行の確保に関する条例、いわゆる倫理条例を制定したのです。

 市議会もまた、2010年9月に百条委員会を設置し真相究明に当たり、1年以上に及ぶ審議と調査を行いました。まさに、市も市議会も血のにじむような議論と努力を重ね、二度と不祥事を起こさないと誓い、決意したはずだったのです。

 ところが、今回の事件はまさにその議論のさなかに起きていたことになるのです。だからこそ、一体なぜなのかと思います。結局、これらの取り組みは絵に描いた餅だったのか、形だけの飾りだったのかと。

 なぜこんな事件が繰り返され、なぜチェックできなかったのか。これまでの取り組みは生かされてきたのか、生かされてこなかったのか。事件を生んだ原因と背景は何だったのか、市の見解と認識をお聞きするものです。

 頑張っている全ての市職員のためにも、いち早く市民からの信頼を回復しなければなりません。そのために、紋別市は何をしようとしているのか、宮川市長は何を考えているのか、みずからの言葉で市民の前に明らかにする必要があります。その意味で、所信表明にこの問題に対する見解が何ひとつ述べられていないのはどうしてなのか、甚だ疑問です。

 今行政を執行するに当たって何よりも必要で重要なのは、この事件に正面から向き合い信頼を回復する決意と覚悟を示すことではないのでしょうか。そして、具体的な対応策を示すことではないのでしょうか。改めて、チェック体制と再発防止に向けた市の取り組みについて、何を検証しどう検討しているのかお尋ねするものです。

 ○宮川市長
 それでは、野村議員のご質問にお答えいたします。
 初めに、市職員の収賄事件についてであります。

 1点目の投書への対応につきましては、さきに宮川議員のご質問にお答えしたことでご理解願います。


 市としての事件の調査、2点目のチェック体制を含め事件を生んだ背景、3点目の信頼回復に向けた再発防止への取り組みにつきましては、さきに宮川議員、加藤議員のご質問にお答えいたしましたとおり、不正等に対して強い姿勢で臨むことが一番の再発防止であると考えておりますが、今後の捜査の状況や裁判の推移を見据え、事実関係を確認後、おのおの適切な対応を行ってまいります。


ーー宮川正己議員への市長答弁ーー
 〇宮川良一市長
 次に、市職員による加重収賄事件についてであります。
 
 初めに、事件の概要につきましては、平成26年1月ごろ、国の鳥獣被害防止総合対策事業の実施主体である紋別市鳥獣被害防止対策協議会のエゾシカ誘導捕獲柵わな購入に係り、当時、産業部農政林務課林業振興係主任の菅原豪が、狩猟用資材の販売、輸出入業者に誘導捕獲柵わなの物品購入契約を受注させるため、落札業者が選定されたかのように装い、同社と物品契約の締結をさせるなど、同年2月初旬ごろ、代表取締役から現金約100万円の供与を受けた加重収賄容疑で本年5月12日に逮捕、6月2日に起訴されたものであります。

 次に、公金横領事件後の団体事務処理についての対応や管理監督につきましては、今回の事件は巧妙な手口により不正行為がなされた可能性があり、団体の預金を横領した公金横領事件とは性質が異なっていると考えております。市には、平成2710月、平成28年2月と9月の3回にわたり菅原主任の不正を訴える匿名の投書があり、昨年2月と11月の2回、本人に問いただしましたが、その都度、事実無根だと否定されたほか、書類を検査した中でも不正は見当たりませんでした。

 昨年12月上旬に紋別警察署より有害鳥獣駆除関係や菅原主任の出勤簿、勤務記録に関する照会があったことから、12月中旬に市から紋別警察署に匿名の投書があったことを相談し、以来、警察の捜査に全面的に協力をしてまいりました。本人が否定している状況での警察への相談は難しい判断でありましたが、不正等は許さないという強い姿勢を示したことは、今後の再発防止につながっていくものと考えております。

 再発防止計画の概要でありますが、事件の原因は管理、監督者のチェック体制の不備、会計出納業務における保管、管理体制と監査体制の不備、職場のモラル低下、団体における行政依存体質を上げ、再発防止策として会計業務における保管、管理、チェック体制のさらなる充実、団体への事務局移管、危機管理意識、法令遵守意識の向上、体系的な研修計画の策定、公益通報者保護制度の策定、人事異動システムの改善、職員倫理規程の制定について等の取り組みを定め、平成22年度から実施しております。

 いわゆる市職員倫理条例の概要でありますが、平成23年に制定した紋別市職員倫理規程及び紋別市職員等からの公益通報に関する規程を、より内容を充実させ条例化したもので、平成27年5月1日から施行しております。職員の守るべき倫理原則として、全体の奉仕者であることの自覚、公正な職務の遂行、職務や地位を私的利益に用いることの禁止、市民の信頼を得る行動、公共の利益の増進に努めること、公務への信用を意識し行動の6つを定め、有識者から成る第三者への通報窓口の設置、利害関係者との禁止行為、贈与等の報告、市民からの公益通報、不当要求行為の報告、公益通報者の保護等を規定しております。その他の取り組みにつきましては、年末年始などの説示や庁内への通達、朝礼や研修などで職員の法令遵守、倫理意識の醸成を図ってまいりました。

 今後につきましては、現在のところ本人が容疑を認めていないため、捜査の状況や裁判の推移を見据え、事実関係を確認後、適切な対応を行ってまいります。

~再質問~
○野村淳一議員
  それでは、何点か再質問させていただきます。

 まず、市職員の収賄事件の問題なんですが、市長ね、こんな問題をまたこの議会の場で言わなければならない事態になった、極めて残念ですよ。市長もそう思っていらっしゃると思うし、皆さん方もそうだと思うんです。またこんな事件が起きてしまった、本当に残念です。二度とこういう事件を起こさないと決意したばかりだと私は思ってますよ。

 また、今回こういう事件が起こった、そしてまた市役所を舞台にしてこういう事件が発生したんです。これ1人の不心得者の犯罪ですよ。

 しかし、要はやっぱり市役所全体の問題ですし、市長の責任は免れないと思ってます。真剣にこの問題にどう立ち向かうかということ、そしてそれは市民がしっかり見ているということをぜひ自覚をしてほしいし、そういう意味では、私は7年前よりも罪は大きいんではないかとさえ思っていますよ。

 ちょっと具体的にお聞きしますが、投書が3回ほどあったと言われています。市は倫理条例を定めています。その中でいわゆる公益通報についてはさまざまな定めを決めています。

 その中の23条ですが、市職員だけでなく市民からも何らかの通報があった場合、これも公益通報としてカウントする、同じような措置をするという規定があります。今回のこの投書はどのような扱いをされたんでしょうか。

○若原喜直・庶務課長兼参事兼行財政改革推進室参事
  お答えをいたします。
 
 公益通報するときは、原則として実名によってなされなければならないということになってます。そういうことですので、今回の投書は匿名だったので、ちょっと公益通報の扱いにはしなかったということでございます。

○野村淳一議員
  確かに、原則は実名です。しかし、匿名でもそれは可能だというふうに、わざわざ条例で書いてるんじゃないんですか。もう一回お聞きします。

○若原喜直・庶務課長兼参事兼行財政改革推進室参事
 お答えします。
 
 例えば今回投書ですけれども、その投書が信じるに足る相当な根拠があった場合は公益通報として認めるんですけれども、今回はちょっとそこまでには至らなかったということでございます。

○野村淳一議員
 言ってみれば、それほど信ずるに足るかならないかという判断で行けば、疑問が残るような匿名の投書だったという判断だというふうに思うんですね。それで、本人に聞いたら事実無根だという話になったということですね。

 それなら、ちょっともう一回聞きますが、きのうも答弁の中でこういうのがあったんですよ。12月になって、警察にこれらの情報を提供することになりますね。結果として、これによって捜査が開始されて、こういう結果になったんですが。

 だから、市民から匿名の情報で、真実かどうかも実は何とも言えずわからない。しかも、本人は事実無根だと主張している、にもかかわらず、警察にその情報を提供する。きのう、市長は難しい判断だったと、こう述べられておりました。

 今回はたまたま、たまたまと言うのか、あってはならないですが、事実だったことになるわけですが、場合によってはぬれぎぬということもあり得なくはない。

 警察に情報を提供するのは、極めて慎重にしなければならないし、デリケートなものだと思うんですが、その辺の考え方を教えてください。

○若原喜直・庶務課長兼参事兼行財政改革推進室参事
 お答えします。

 市長答弁にもあったんですけれども、警察からの捜査関係事項照会というものもありました。そのほかいろいろな情報として、警察が動いているような情報がございました。そういうことを総合的に勘案して、慎重に判断して、届け出というよりはまずは相談をさせていただいたということでございます。

○野村淳一議員
  今回はそういう結果になったわけです。ただ、一般的な問題として、これからもそういうことの可能性があります。

 私はやっぱり慎重な取り扱いが必要だと思いますし、場合によっては、これ公益通報の関係では、公益通報があったら、庁舎内にある公益公正職務推進会議というんですか、それが調査の母体になりますね。

 それから、第三者による外部の組織がありますね。公平職務審査会というんですか。そこには弁護士さんもいるわけで、私はそういう外部の方の助言というのも受ける必要もあるんじゃないのかなという気がしています。

 デリケートな問題なので、今後の問題としてちょっと検討課題にしていただければというふうに思います。

 この不祥事の問題です、これから再発防止をどうするかということになると思うんです。これは捜査や、あるいは公判の状況を見てからということになるというふうに思うんです。市としては、重たい宿題を課せられたというふうに思います。

 7年前の事件が起きてから、私も質問で言いましたが、考えられる手は全部打ってきたんじゃないかと、実は思ってるんですよ。いろんな仕組みもつくり、そして倫理、モラルという問題でも、条例までつくって徹底してきたはずなんです。

 しかし、こういうことが起こってしまったわけで。これをくどくどと言っても繰り返しになりますけども。ただ、私はこれからどういう対策を組むのかちょっとわかりませんけども、単に管理を厳しくしたり、監視や監督を厳しくしたって、これ本質的には変わらないと思ってます。息苦しさを増すだけなんでね。

 やっぱり、市の職員が市民の福祉の向上のために頑張ってると。そのために、市民の幸せのために生きがいを持って働いている。公務員としての自覚と誇り、その気概と情熱を持って頑張れる、そういう環境をどうつくるか、そういう風通しのいい職場をどうつくるか、私はそれにかかってると思いますし、それは、幹部の皆さん方の私は責任が大きいというふうに思っています。

 事件の内容はこれからなんでしょうけども、しかし一方で、再発防止に向けてどういうふうに取り組んでいくのか、内容はともかくとしても、その問題、どういう方向で問題を煮詰めていくのか、どういうふうに取り組むのか、その方向性についてちょっと教えてください。

○若原喜直・庶務課長兼参事兼行財政改革推進室参事
 事件の詳細につきましては、今後裁判の中で明らかになっていくと考えておりますので、まずは裁判の推移を見ながら考えていくことになりますけれども、原則的には倫理条例がありますので、公正職務推進会議のような、それに準じるような会議で事件を調査または検証していきながら、審査会のような第三者の目も通しながらやっていく形になると考えております。
以上でございます。

○野村淳一議員
  これ同じようなことを7年前にも言ったような感じもしてるんです。ですので、非常に残念なんです。

 きのう、宮川議員が言いましたように、私もそう思うんですよ。皆さん方は、そういう意味では臆することなく、公務員としての誇りと自覚を持って頑張ってほしいと思います。その皆さん方の情熱が、逆に市民の皆さんの信頼を回復していく一つの力にもなると思いますので、頑張っていただきたいと思いますし、しかしきちんとした再発防止、これをきちんと取り組んでいただきたいと思います。


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