2017年12月28日木曜日

観光協会の解散問題をただす~2017年第2回定例市議会一般質問⑤

〇野村淳一議員
 最後に、所信表明の交流人口の拡大により地域の活性化を促進するという視点について質問いたします。

 市長は、その中で交流人口の拡大が生み出す経済の好循環を打ち出し、観光の産業化を促進するとしています。

 もちろん、その意味は私も理解できないわけではありません。

 しかし、報道によると4月24日、市長は民間組織である一般社団法人紋別観光協会に対しその解散を提案し、株式会社紋別振興公社との統合を求めたとされています。

 これが、市長の言う交流人口の拡大による地域活性化とどう関係するのか、私にはよく理解できません。

 市長が、特に非のない一般民間組織の解散を求めるなど、尋常では到底考えられない極めて異常な事態ではないのでしょうか。

 当然、そこには困惑と混乱が生じています。余りに性急で乱暴とも言える観光協会の解散提案は何を意味しているのか、その理由と真意についてお尋ねするものです。

 同時に、市長は紋別市の観光行政をどこに導こうとしているのか、そもそも紋別市の観光のあり方について、それをどう考えているのか、見解をお聞きするものです。

 言うまでもなく、観光は観光業者のためではなく、いわんや観光業者や行政だけが担うものではありません。

 観光は、地域そのものの価値と資源が生かされてこそ成り立つものです。

 すばらしい景観と自然、豊かな食、くつろげる宿、便利な交通手段、ストーリーある歴史と文化、そして何よりこのまちを愛する人々との交流、それらが融合して初めて魅力ある観光資源を生み出しているのだと思います。

 そして、それらを支えてきた市民との協働こそが、魅力ある観光を生み出す原動力だと思います。それは、まさにまちづくりそのものでもあるのです。

 だからこそ、観光という視点で紋別のまちづくりを考え、これからの観光のあり方、方向性を示す市民主体による観光ビジョン、観光振興計画の策定を検討すべきではないのでしょうか。


 それら方向性もないまま、コンセプトもないまま、ただ形ばかりを急ぎつくっても、本物にはならないと考えますが、いかがでしょうか。

 また、いわゆるインバウンドの増加に伴い、今国挙げて稼ぐ観光へとかじが切られています。しかし、自治体が行うべき観光行政はそれでいいのでしょうか。

 私は、紋別市みずからが稼ぐ観光に前のめりになるのではなく、行政が行うべきは民間による稼ぐ観光への環境整備と支援を行うこととともに、それ以上に、それがたとえ稼げない観光であったとしても、いや、それだからこそ大切な観光の資源として目を配り、支援の手を差し伸べることこそが、行政の果たすべき役割だと思っています。
 これらに対し、市長の見解をお尋ねするものです。

〇宮川良一市長
 次に、交流人口の拡大により地域の活性化を促進するについてであります。

 観光協会への解散提案の理由と真意及び市の観光のあり方につきましては、さきに宮川議員のご質問にお答えいたしましたことでご理解願います。

 
 観光ビジョン等の策定につきましては、本市の観光は紋別市総合計画や総合戦略において流氷をはじめとするオホーツク海の豊かな自然や新鮮な海産物、農畜産物などの観光資源を生かし、市民、行政、関係団体が一丸となり観光施策に取り組むことを基本方針とし、観光入込数や外国人宿泊数などの成果指標のほか、観光推進体制の充実、情報発信の強化、体験観光、冬期観光メニューの充実、食や文化による魅力発信などの主要政策を定め、これらをガイドラインとしながら観光振興の各施策に取り組んでいるところであります。

 稼ぐ観光につきましては、観光は紋別を訪れていただいた方々の満足度を高めることにより、地域全体に広く経済効果をもたらし、また提供したサービスや商品が外貨を稼ぐ力となり、これらを通じて地域経済の活性化につながる産業でありますので、マーケティングや計画性を持って経営運営がなされ、地域に持続的な経済効果をもたらすかじ取り役となる組織を構築することが必要であると考えております。 

~再質問~
〇野村淳一議員
 時間がありませんので、あと観光の問題です。
 観光協会の解散、解散というのか振興公社との統合という話です。きのうも議論がありました。私この話を聞いたときに、ちょっと耳を疑ったんですよ。どういうことなのか、さっぱりわかんなかったんですね。

 同時に、私はこれ民主主義の問題じゃないかとも思ったんですよ。観光協会に対して、市はいろいろ言いたいこともあるんでしょうし、そうなのかもしれませんが、一民間組織ですからいろいろ問題があったとしても、それに対して例えば助言をしたりアドバイスをしたり、一緒にそれをどうクリアしていくのかという議論が本筋だというふうに思うんですね。

 余りにも性急で何を焦っているのかなという印象を受けました。どうなんでしょう、きのうもご答弁がありました。観光協会がこれからどうするかということだと思うんですが、別に最終的なお尻を決めないで、せっかくの機会ですから、お互いどういう観光のあり方がいいのか、どういう組織が必要なのか、じっくり議論するということが必要になってきてるんじゃないのかなという気がしますが、その辺のこれからのあり方について教えてください。

○山本隆博・観光交流推進室参事兼港湾課参事
 お答えいたします。
 昨日の答弁にもございましたけれども、本来観光の推進につきましては民間主導で行うべきというような考え方に立ってございます。

 それは、ですがやはり行政については人事異動等で、人脈等が希薄になってしまう、そういったことから関係構築が非常に難しいという状況にございまして、それゆえにマーケティングあるいはマネジメント、そういったものを総括して行う、そういった一元化された民間組織が必要かと思っているところでございます。

 もう一つは、平成24年に観光協会自身が定めました観光協会のあり方がございます。その中で、基本的な考え方が述べられておりまして、観光の方向性あるいは運営課題の改善、組織体制の強化、こういったもので方針を出したところでございます。

 しかし、現状としてなかなかそう簡単なものではないというのも市としても理解をしておりますし、現状としても見通しは厳しい。

 そういったことから、観光を推進します組織を一元化させてトータルで対応できる、そういった組織が必要ではないのかなというふうにまず考えているところでございまして、振興公社と統合するということを提案として申し上げたということでございます。
以上でございます。

○野村淳一議員
 それは、市がそういうふうに考えたということなんだと思います。

 そういう意味で提案をしたということなんで。だから、言ってみれば、観光協会は観光協会で、あり方というのは4年前に決めたと、基本方針だとか基本戦略を決めて、なかなかそれが実施できてこないというのは、確かにそういう問題はあります。

 だから、それが実施できるように、どういうふうに援助できるのか、アドバイスできるのかということも含めて、それができればいいわけだから。

 そういうことですね、観光協会が定めたあり方の方向性で観光協会が進めればいいんですよね。だと思ってるんです。

 これ観光協会のあり方を読んだら、それらしいこと、立派なことが書いてあるので、こういう方向で進めばいいんだろうなというふうに理解をするんですが。

 そういう意味では、じっくり時間をかけてもこの問題の協議ということは、観光協会や振興公社や紋別市と取り組んでいくということでよろしいんですね。

 私は、何かとっても慌ただしく、性急に、唐突に話があったもんだから、観光協会の会員の人たちも自分に関係ない話、どうなってんだと、もう好きにすればというような話になってたら、これ困るなと思うもんだから。

 そういう他人任せにならないようにするためにも、やっぱり最終的な合意だとか納得だとかというものがどうくるかということが、やっぱり最大限注意していかなきゃならない話なので、性急にすることが逆に私はあだになるんじゃないかという気がしてるもんだから、そういう話をしてるんですが、もう一回いかがですか。 

○山本隆博・観光交流推進室参事兼港湾課参事
 お答えいたします。
 提案につきましては、4月24日に提案させていただいたところでございますけれども、そこで市のほうから、いつまでにどうしてくださいというようなことを申し上げたわけではございませんで、そこで協会のほうで検討をしていただきたいということを申し上げまして、その中でたたき台も示した中で、お互いにその中で話し合っていきましょうということを申し上げたところでございます。
以上です。

○野村淳一議員君
 私は、質問の中で私の考える観光像というのを話したつもりです。

 観光は、まさに市民全ての人たちがかかわる話、総合的な私取り組みだというふうに思います。

 実は、主なまち、道内の観光地、ほとんど全てですよ。富良野市も函館市も小樽市も札幌市も網走市も稚内市も、全て観光ビジョンだとか観光戦略計画だとか、観光基本計画だとか、観光振興計画だとか、そういうのを持ってるんですよ。

 それは、多くの市民や多くの関係者が集まって中長期的な展望を示しているのです。その中で、マネジメントだとかいろんなプロモーションだとか、どのようなツーリズムをこのまちでつくっていくのかとか、どういう資源があるのかとかということも、全部総合的に網羅をして、その中でじゃあどういうそれを進める体制が必要なのかということが定められているんですよ。

 僕ね、そういうのがあっていいと、紋別市でそういうのがないんですよ。

 もちろん、総合計画にはあります。しかし、観光でのそういうビジョンを持ったものが、市民的な協議の中でつくる必要があるんではないのかというふうに思っています。
 
 その上で、どういう体制が必要なのかって見えてくるんじゃないのかと。それこそ、市民の合意と納得のもとで観光が進んでいくんじゃないのかなと思っているんですが、それについてちょっと教えてください。

○山本隆博・観光交流推進室参事兼港湾課参事
 お答えいたします。
 総合計画、総合戦略の中で、当市につきましてはかなり細かい、ほかの市に比べまして指標ですとか基本的な方針あるいは施策についてもかなり細かな部分まで比較的定めているのかなというふうにまずは認識しているところでございます。

 それに沿った戦略、戦術につきましては、実際に観光を担っていく、例えば、今後統合される組織の中でもそういったものについては十分話し合うことができるのかなと、定めていくことはできるのかなと。市としても、その中に加わった中で、そういったものについての方向性あるいは戦術について見出していきたいなというふうに考えております。
以上です。

野村淳一議員
 どっちにしても、今回のこの紋別市の提案は非常に唐突なものだなという印象を受けています。
 結果的に、観光協会はその結果、1カ月総会を延期しなきゃならない状況になってるのも間違いないんですよ。そういう意味では、やっぱり腰据えて、せっかくの機会ですので、観光行政をしっかりと議論する方向性を、時間もかけてもいいですから進めていただきたいということを述べて、時間ですので終わります。

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