2017年12月28日木曜日

子育ての経済的負担の軽減こそ~2017年第2回定例市議会一般質問④

〇野村淳一議員
 この項の3つ目に、子育てにおける経済的負担の軽減についてお聞きします。

 市長は、所信表明の中で、若い世代が出産、子育てをためらう理由として、経済的な負担の重さや育児と仕事の両立の難しさが大きな要因として挙げられると思うと述べ、育児負担の軽減に向けた取り組みを推進するとしています。

 この点もまた重要な視点です。まさに、この経済的負担の重さが子育てにとって切実な問題となっており、その軽減は全ての子育て世代の切実な要望でもあります。

 子供の貧困問題が政治課題になっている今、経済的負担の軽減は子育て支援策のかなめでもあると思うのです。

 そこでまず、それに向けた具体的な対策についての検討はあるのかどうかお尋ねします。


 この問題でさらに3点、具体的にお聞きします。 

 1つは、子供の医療費助成についてです。

 政府は、これまで子供の医療費を助成している自治体に対し、国民健康保険の国庫負担金を減額する調整措置いわゆるペナルティーを科してきました。

 しかし、全国からの自治体の要望を受け、来年度から未就学児までに限り、そのペナルティーを廃止することを決定しました。

 子供の医療費の無料化と助成は、既に全国ほぼ全ての自治体で実施されており、ペナルティー廃止の声は全国から寄せられ、子育て支援策の有効な施策として定着、拡大しています。もちろん、紋別市も中学生までの医療費の原則無料化を実施しています。

 そこで、このペナルティー廃止の内容とその影響金額についてお聞きするとともに、それを財源にさらなる子供の医療費無料化の拡充を求めるものですが、いかがお考えかお聞かせください。

 2つに、就学援助における入学準備金の支給についてです。

 私は、さきの議会でもこの問題を取り上げ、支給時期が7月から6月に改善されたとはいえ、必要となる時期に間に合わないのは問題だとして、3月支給への実施を求めてきました。

 いよいよ、網走市でも来年3月からの支給実施を決め、補正予算が提案されたようです。紋別市も他市の状況などを勘案して検討したいと述べておりました。改めて、紋別市における入学準備金の3月支給への実施はどうなっているのかお尋ねするものです。

 3つには、学校給食費の無料化と助成制度の実施についてです。

 今やこの課題は、全国的に実施する自治体が進んでいます。今年度から雄武町でも給食費の無料化が実現し、道内で5市23町村で保護者軽減のため、何らかの助成制度を実施しています。

 給食費は、特に多子世帯において負担が大きなものです。給食費負担の軽減は、少子化対策、子育て対策をはじめ、子供の貧困対策としても重要な課題となっています。

 学校給食費に対する無料化及び補助事業の実施を強く求めるものですが、いかがお考えかお尋ねいたします。

〇宮川良一市長
 3点目の子育てにおける経済的負担軽減についてでありますが、保育料につきましては、さきに加藤議員のご質問にお答えいたしましたことでご理解願います。

 また、その他の子育てにおける経済的負担軽減につきましては、平成29年度より経済的な理由により学用品等の負担が困難な世帯に対して行っている就学援助経費の項目に、生徒会費、PTA会費、クラブ活動費を追加し、家庭の経済状況に左右されることなく、小中学校においても学習活動が円滑に実施できるなど、子育てを幅広く支援しているところであります。

 次に、子ども医療費助成に係る国民健康保険の減額調整措置の見直し内容についてであります。
 
 本市では、中学生以下が病院等を受診した際に、窓口で支払う一部負担金の助成を実施しておりますが、こうした助成を行うと国保会計の国庫負担金等におきまして、増加した医療費分の公費負担が減額調整されていたものであり、これは限られた財源の公平な配分や、国保財政に与える影響等を考慮して実施されていたものであります。

 しかし、現状は全ての市町村において未就学児までは何らかの助成措置を実施している実態等を踏まえ、自治体への少子化対策の取り組みを支援する観点から、国において検討が行われた結果、平成30年度より未就学児までを対象とする医療費助成につきましては、国保の減額調整措置は行われないことになったものであります。

 見直しによる国保会計への影響額は、平成28年度実績では、療養給付費等負担金及び普通調整交付金を合計しますと、2396,000円が今後減額調整されなくなるため、一般会計からの繰り出しが減少することで新たに財源が発生することになります。

 さらなる医療費無料化の拡充につきましては、国においては医療費無料化による受診拡大等が医療保険制度全体の規律や医療提供体制に与える影響なども考慮し、このたびの見直しにより生じた財源を医療費助成の拡充に充てることには否定的であるため、今後の課題とし、財源は子育て支援策に活用させていただきたいと考えております。 

○斉藤房生・教育長
 それでは、野村議員の子育てにおける経済的負担軽減についてお答えをいたします。

 初めに、入学準備費の支給につきましては平成28年第2回定例会及び本年第1回定例会において、野村議員のご質問にお答えしましたとおり、本年度から認定作業等を早め、支給月を1カ月繰り上げ6月の支給を実施したところであります。

 3月支給につきましては、他の自治体におきましても小学校新1年生の就学援助対象世帯の収入確認が難しく、導入に至らない理由となっておりますので、今後どのような方法がとれるのかを研究してまいります。

 次に、学校給食費の無料化等についてでありますが、学校給食実施に必要な経費は、市が調理員等の人件費や施設維持管理費などを負担し、保護者には食材費等のご負担をいただいております。

 無料化や補助事業の実施につきましては、財源の面からも大変厳しいと考えておりますことから、保護者には引き続きご負担をお願いしてまいります。
以上、答弁といたします。 

~再質問~
〇野村淳一議員
 経済的負担、子育ての問題です。

 市長は、所信表明でこの経済的負担の軽減ということを述べられた。私は非常に重要だと思ってるんですよ。

 実は、昨年子ども・子育て支援事業計画、定められましたね。それから総合戦略も定められました。これもどちらも子育て支援が重要な課題です。

 私どちらにもパブリックコメントを出したんですよ。何を出したか、この経済的負担の軽減をもっとはっきり打ち出すべきだと。新しい項目として打ち出すべきではないかということも述べたんです、回答はさらっとしたもんでしたけど。

 でも、今回こういう形で市長が明確にこの問題を取り上げたというのは、私は一歩前進だと思うし、大きい評価をしたいというふうに思っています。この経済的負担の軽減は、やっぱり重要な行政課題です。

 子供の医療費の問題です。2396,000円程度の軽減額があるということになります。

 どうなんでしょう、紋別の場合は初診時一時負担金というのをとっています。一般で580円だと思います。

 調べると、全道35市の中で15市はこの初診時の負担金の軽減も行っています、無料にしています。この辺についてはいかがですか。

○坂井利孝・市民課長兼臨時給付金対策室参事
 お答えします。

 医療保険制度につきましては、医療を受けた人と受けない人との公平性や適正な受診を確保する観点から、医療を受けた人に対して一部負担金を求めてるところであります。

 当市におきましても、医療サービスを受けられた方につきましては、一定程度の受益者負担をいただくのが原則と考えておりますので、北海道の子ども医療に係る給付事業の補助基準に準拠しまして、初診時一部負担金、医療診療におきましては580円になりますけども、これまでどおり窓口でご負担をお願いしたいと考えております。
以上でございます。

○野村淳一議員
  確かに、いろいろな口実はあると思うんです。ただ、私はさっきも言ったように経済的負担の軽減という意味で、これも重要な取り組みの課題の一つだというふうに思っています。

 実は、お隣の滝上町、興部町、西興部村、雄武町、全て高校生まで医療費が無料になりました。この西紋管内で紋別市だけが中学生、紋別市、中学生もこれすごいんですよ、全道的に見れば頑張ってると思うんです。そういうような取り組みになっているということもぜひ頭に入れてください。また、どこかで質疑したいと思います。きょうはこの程度にしときます。

就学援助です。
具体的に聞きますが、小中学校の3月支給入学準備金については、具体的にはするのかしないのか、あるいは検討に入っているのか入ってないのか、はっきり立ち入ってお答えください。

○小林昌史・学務課長
 お答えいたします。
 新入学準備費につきましては、小中学校で小学校については教育長答弁でもありましたとおり、世帯の収入状況、源泉徴収票や確定申告の写しを期日までに出すというのがちょっと難しいことで、全道的に導入に至ってないというのが実態であります。

 中学校のほうにつきましては、6年生での認定というのが本年度もされております。その子たちが中学校に進学するあたりについてやってる自治体もございますので、そこら辺紋別市としてどのような形でできるのかを今後調べていきたいと考えております。
以上です。

○野村淳一議員
 できれば小学校も含めてと思いますが、今答弁があったように、中学校がそういう形で可能だということでしたので、ぜひ3月支給となると、次の議会あたりの補正予算を組むということになります。期待をしておりますので、実施に向けた検討をよろしくお願いしたいと思います。

 学校給食費ですが、今のところは考えがないという形です。

 ただ、根室市を調べたら、多子世帯、3人目の子供を無料にしてるんですね。北斗市は2人目の子供が半額で、3人目が無料ということにしてます。そのような取り組みがどんどん進んでいるということも実態としてありますので、はなからもう検討もしないというんではなくて、そういう他市の状況も見て、あるいはその経済的負担の軽減という観点からも、ぜひメニューに入れた検討をお願いしたいというふうにしておきます。これも要望にしておきます。また、どこかでやりたいと思います。 

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