2013年12月13日金曜日

第3回定例市議会報告①-防災対策について

○野村淳一議員
 紋別市では今年度、紋別市地域防災計画の改正が行われたと思います。実は改正といっても、その中身はほぼ全面的な改正といってもいいものです。

 そこでお聞きしますが、いまこの時期に地域防災計画の全面的な改正が行われた背景と理由は何か。同時にその主な内容、特徴点についてお聞きします。

 さらに、この改正案について4月にパブリックコメントを募集しておりますが、その状況はどうであったのかお知らせください。

 今回の地域防災計画の改正で特に注目されるのは、地震、津波災害対策が別途に新しく記述され、全面的に見直しされていることであります。

ここにはもちろん東日本大震災の教訓が生かされています。

 そこでお聞きしますが、今回の新しい防災計画では、この地域においてどのような地震と津波の規模を想定し、被害を予測しているのか、さらにその予防策と被害の抑制策はどう検討されているのか、主な内容をお聞きします。

 また、流氷接岸期における地震、津波対策はどうなっているのかお尋ねします。

 次に、災害が起こった時の避難、救助の対応についてお聞きします。

 まず、避難場所についてですが、避難場所と一口に言ってもそこには一時避難場所、収容避難場所、一時収容避難場所、さらに津波に対しては別の避難場所が設定されているなど、市民にはわかりにくい一面もあります。

 これら各避難場所の内容と住民への周知についてはどのようにされているのかお聞きいたします。

 同時に、それら避難場所にはどれだけの災害用備蓄品が常備されているのか、その内容をお聞きするとともに、今後の取り組みについてもお尋ねします。

 災害発生時などに消防、防災ヘリコプターの出動が必要になることが予想されます。

 その際の防災ヘリコプターの離発着場についてでありますが、紋別市地域防災計画では市内に3か所のヘリポートが公式に指定されています。

 しかし、3か所のうち2か所、1つは渚滑川河口の水防拠点ヘリポートであり、もう1つは海浜公園の親水公園運動場となっているのです。

 どちらも海と川に面し、地震、津波の際は近寄ることも許されない最も危険な場所です。

 ここが災害用ヘリポートになっているのです。

 この点についてどのような見解をお持ちか、また見直す方向はないのか、お尋ねします。

 今回の地域防災計画の改正では、避難所の運営について女性の視点での配慮が盛り込まれているのも一つの特徴です。これも東日本大震災の教訓の一つです。

 女性に配慮した間仕切りやトイレ、更衣室の設置、さらには女性相談員の配置などが新たに盛り込まれています。

 これを実際の場面で具体化できるようにすることが重要です。

 ただ、紋別市防災会議のメンバーに女性が一人もいない点が気になります。この点においての見解と改善の方向性についてお尋ねします。

 また、これを実践するために具体的なマニュアルが必要であり、そのための女性による会議の場が必要だと思いますが、いかがお考えかお聞かせください。

 地域防災計画の改正の中には、事故災害対策編として港湾災害や大規模火災、航空災害など、個別の災害対策が記述されております。

 しかし、その中に今年3月の痛ましい犠牲を出した暴風雪災害についての記述がありません。

 今年の暴風雪による被害は、単に雪害とのみいえるものではありません。特別な事態だったとも言い切れないのが現状です。

 この教訓を生かし重大な個別の事故災害として取り上げ、対策を検討する必要があると考えますが、いかがお考えかお聞かせください。

 次に、災害時における要援護者の問題です。

 今年6月、改正災害対策基本法が成立し、市町村に対し災害時要援護者の名簿作成が義務付けられました。これもまた東日本大震災における大きな教訓です。 

 この法改正に伴う要援護者の名簿作成の内容と紋別市としての取り組みをお聞きします。

 また、従来より検討されていた災害時要援護者避難支援プランの策定と今後の方向性についてもお聞きします。

 最後に、防災訓練についてお尋ねします。

 さきにご案内もいただいておりますが、10月2日に今年の防災訓練が実施されるようであります。そこで、今年の防災訓練の内容と狙いについてお聞きします。

 また、実際に避難所を開設するなど、より実践的な訓練が必要ではないかと考えるものですが、お考えをお聞かせください。

○宮川良一市長
 1点目の紋別市地域防災計画につきましては、東日本大震災での課題や教訓を踏まえ、国の防災基本計画や北海道の地域防災計画が修正されたことを受け、減災の考えを基本に2つのレベルの津波を想定するなど防災対策全般について見直しを行ったところであります。

 パブリックコメントにつきましては、本年4月22日から5月7日まで実施したしましたが、市民からの意見は特段ありませんでした。

 2点目の想定する地震、津波の規模等につきましては、北海道から新たに示された紋別市に影響の大きい想定地震として網走沖と紋別沖が地震源として挙げられておりますが、このうち一番大きな被害が予測される網走沖の地震では、最大で震度6強、津波の遡上高8.7メートル、木造住宅全壊棟数189棟、死傷者数668人。

 また、紋別沖の地震では、同じく最大で震度6強、津波の遡上高5.1メートル、木造住宅全壊棟数57棟、死傷者数195人と予想されております。

 地震、津波対策につきましては、道路、橋梁等の耐震性やライフライン施設の安全性の強化など、地震に強いまちづくりを進めるとともに、自助、共助の防災意識の高揚を図るほか、災害に対処できる知識の普及や防災教育の推進に努めてまいります。

 流氷接岸期の対策につきましては、被害についての科学的知見がないことから、現在独立行政法人寒地土木研究所が平成23年から5か年計画で進める流氷時期の津波襲来等に係る調査の結果を待って、検討してまいりたいと考えております。

 3点目の避難所、避難場所につきましては、災害時に第1次的に避難して身の安全を確保する一時避難場所、短期間の泊まり込みができる一時収容避難場所、避難生活が長期に及ぶ場合の収容避難場所のほか、災害の状況に応じ、川から離れた安全な場所に設けた洪水避難場所や標高の高い地点に設けた津波避難場所を指定しており、市のホームページをはじめ、広報もんべつや防災展での啓発など、あらゆる機会を通じ市民への周知を図っているところであります。

 備蓄品につきましては、現在アルファ米等の食糧約1400食、毛布等約650枚をはじめ、発電機、給水袋、灯光器材、ポータブルストーブなどを本庁舎、上渚滑支所、渚滑出張所の3か所に分散して備蓄しておりますが、避難時に十分に対処することができるよう、引き続きその充実に努めてまいります。

 ヘリコプターの離発着場につきましては、地域防災計画では主に離発着が可能な場所として紋別空港など3か所を掲載しておりますが、このほかにも災害の状況に応じ、市内小中学校のグラウンドを活用するなど、臨機応変に対応してまいります。

 防災会議につきましては、本年9月2日に開催されました紋別市防災会議で、新たに国際ソロプチミストが委員として加わり、現在2名の女性委員に参画していただいております。

 また、避難所運営に当たりましては、関係団体等をはじめ、防災訓練に参加した女性の方々からご意見を伺うなどしながら、女性の視点も生かした避難所運営マニュアルづくりを進めてまいりたいと考えております。

 雪害対策につきましては、本年3月の暴風雪災害の状況を検証し、地域防災計画の中で市民の取るべき措置など内容を拡充したところでありますが、引き続き雪害対策マニュアルの作成を進め、突発的な災害にも万全を期してまいりたいと考えております。

 4点目の要援護者につきましては、本年6月に災害対策基本法が改正され、障害者や高齢者の方など、避難で特に支援が必要な方々について名簿を作成することが市町村に義務づけられたところであります。

 市としたしましては、これまで進めてきた地域ネットワーク推進事業や緊急通報システム運営事業などの取り組みも活用しながら、国から示された指針等を踏まえ名簿や支援プランの作成を進めてまいります。

 5点目の今年の避難訓練につきましては、来月2日に地震発生時による津波災害を想定した訓練を実施することとしており、住民避難訓練や救助、救出、負傷者救急搬送訓練はもとより、本年度初めて避難住民が参加する避難所運営訓練や気象台職員による災害時の対処法などを学ぶ出前講座を実施するなど、より実践的な訓練を予定しております。

○野村淳一議員
 防災対策についてでありますが、ちょっと最初に確認をさせていただきたいんですが、今回地域防災計画が新しく紋別で改正されました。

 今市長が答弁されたように、地震、津波の想定で最悪の場合、網走沖ということで震度6強、それから津波の高さ8メートルから9メートルなどの中身が出されました。

 そういう調査というのは自治体では、専門的なものですからなかなかできるものではありません。

 北海道がそれにかわってずいぶん調査されているんだと思うんです。

 北海道は、北海道沿岸の津波浸水予測図というのをかねてから作成をしておりました。

 オホーツク沿岸は、平成21年から22年にかけて作成されております。

 ところが、東日本大震災が起こって、この津波のあり方について再検討が必要だということになって、改めていま全道の沿岸地域の新しい津波浸水予測図作成を始めています。

 太平洋沿岸はもう出来上がったと思います。オホーツク沿岸については、平成24年度から津波堆積物の調査を始めているのかなというふうに思っています。

 新たな東日本大震災を受けての津波浸水予測図の作成が道をもって行われていると思いますが、それで確認してよろしいですか。

○吉野久寿庶務課長
 お答えしたします。オホーツク海沿岸につきましては、今年度から調査が開始されたということでございます。

○野村淳一議員
 今回改定された紋別の防災計画は、前段の調査について書かれたものだと思います。

 今年からオホーツク沿岸で新たな調査が始まっています。それに伴って、どういう結果が出るかわかりません。

 より科学的な調査がされているんだろうと思います。それは、また新たな数字が出てきたときにそれを直ちに公表し、そして必要な改正というのも直ちにしていかなければならないと思いますが、それについての準備を教えてください。

○吉野久寿庶務課長
 お答えいたします。いま道が調査しておりますので、その結果を待ちまして,新たなハザードマップなど作成について検討してまいりたいと思っております。

○野村淳一議員
 今回改正された紋別の地域防災計画なんですけど、確かにそういう意味ではまだまだ不十分さを残すかもしれないけど、しかし東日本大震災を受けて、そしてその教訓をもとに道も地域防災計画をつくりました。

 それをもとに紋別としてもそれを改正したんだと、そういう意味では非常に積極面があるんだろうと思っていますし、それがより具体化されることを期待しているんです。

 ただ、私がどうしてもやっぱり物足りなさを感じるんです。なぜかと。

 例えば流氷の問題しかり、そうなんです。確かに、これは平成23年から27年、5か年にかけて、今独立行政法人寒地土木研究所が調査を始めたばかりです。

 そういう意味では、流氷にかかわる問題は道も含めてまだまだ認識が甘かったということはもちろんなんですが、しかしこの流氷の問題は紋別の地域においては避けて通れない問題なんです。

 地域防災計画の中にはこのことが一言も触れられていないのは、私はやはり物足りなさを感じずにはいられない。これが1点。

 それから、防災ヘリコプターのことを提案しました。これも質問でも言ったように、渚滑川河口、それから親水公園、そして紋別空港、3か所です。

 しかし、今回の地域防災計画の改定の最大の目的は地震、津波にどう対応するかなんです。

 そう思った時に、渚滑川河口の防災ヘリポート、親水公園のヘリポートをそのまま記載している。

 いや、もちろんそれはそれぞれの災害ですから使う場合もあるでしょう。しかし、震災、津波の場合には使えないんです。

 そういうときにどうするのかということを、グラウンドなども使って臨機応変にと言うけれども、どんな災害が起こるかわからないので、例えば照明の機材はどうなのか、あるいは近所に人家があるのかないのか、それにふさわしい敷地があるのかないのかということで作成されているのがこの3か所なんです。

 そういう意味では、やっぱりせっかく地域防災計画を改定しているんだから、それについてもしっかり目配せが必要ではなかったかという意味での物足りなさを感じる。

 それから、3つ目には今年の3月の暴風雪の被害の問題なんです。このことについても、こういう事態になっているのに、このことについてせっかく改正するのに記述がほとんどない。そういう意味で物足りなさを感じると同時に、どことなく私は緊張感がないのじゃないかという印象を持たざるをないのですが、改めてご答弁ください。

○吉野久寿庶務課長
 まず初めに、流氷接岸期の関係でございますけれども、これにつきましては、今市長から答弁した通り、科学的知見がまだ示されておりません。そういうことで、はっきり示された段階で速やかに対応していきたいと考えてございます。

 それから、2点目のヘリポートにつきましては、洪水対策、それから油対策ですとか、それぞれ災害の情報収集とかそれぞれの目的があった設置されているところでございます。災害については様々いろいろございますので、その時々の状況に合わせまして発着場所などを検討してまいりたいと考えております。

 それから、雪害につきましては、今回地域防災計画の中で見直しをさせていただきましたけれども、今後市民の取るべき措置としましてラジオやテレビでの気象情報、それから防災上の注意事項などをよく聞くこと、不要不急の外出は控えるなどの雪害時の心得や、運転中に突発的な吹雪に遭遇した場合の心得などといったものをマニュアル化して改めて示したいと思っております。

○野村淳一議員
 確かにすべてが網羅できるものではありませんから、随時これから補強しながら充実させていっていただきたいと。ぜひ急いでやってほしいと思います。

 災害時の要援護者の問題です。これは名簿を作ることが義務付けられています。これはいったいどこが担当するのか、それからめどについて教えてください。

○吉野久寿庶務課長
 お答えいたします。避難行動要支援者の支援につきましては全体計画と細部にわたって計画をつくると、今回こういう指針が示されております。

 全体計画につきましては、地域防災計画に盛り込んで対応しなければいけないと。その地域防災計画に盛り込まれた個別の案件については、担当部局が対応するような形になろうかと思います。

 めどにつきましては、今回法改正がされまして来年4月に施行開始ということでございますので、それに合わせて対応してまいりたいと考えてございます。

○野村淳一議員
 この要援護者の名簿づくりと言ったら個人のプライバシーの問題があって、なかなかこれをどのまちでも苦労している内容だと思います。ただ、これは防災担当だけでなく、これも先ほども答弁でありました地域ネットワーク事業との連携となってまいります。これは、福祉サイドの取り組みでもあると思います。縦で割るんじゃなくて、横の連携も含めた名簿づくりが必要だと思いますが、それについてはどう取り組まれる計画ですか。

○吉野久寿庶務課長
 議員ご指摘のとおり、今度関係部局としっかりと連携して対応してまいりたいと考えております。

 

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