2013年12月20日金曜日

議員定数削減と「議会改革」


 12月議会で議員定数の削減が決まりました。現在の18人から2人減の16人となります。来年夏の市議選から適用されます。

 9月に議会運営委員会で議員定数問題が本格的に議論にのぼってから、わずか3か月余りでの結論です。

 採決では、私たち日本共産党市議団2名が反対、1名が棄権する中、賛成多数で可決されました。

 提案理由は、社会情勢も変化し、道内他市も定数の削減を進めており、議会も自ら行政改革に寄与すべきだ、というものです。この理由は、3年前に20人から18人に削減したときの提案理由と基本的に同じです。

 これではまた3年後に、同じ理由が出てくるでしょう。議会とは何か、議員定数とはどうあるべきか、本質的な議論がどうしても必要なのです。

 私は、採決に当たって次のように反対討論を行いました。

 「言うまでもなく議会と議員の役割は、行政の執行をしっかりチェックし監視することにあります。同時に、住民の要望や声をしっかり市政に届け、反映させるとともに、自ら政策を提案することにあります。

 現在、地方分権の伸展や広域紋別病院企業団など広域的行政の拡大など行政需要はますます拡大、複雑化し、一方で住民の願いは、深まる格差の中で一層多様化しています。

 それだけに、議会と議員の果たすべき役割はますます重要になっているのです。

 今回提案されている議員定数の削減は、その重大なる議会の役割を弱め、何より住民と結ぶパイプを細くし、自治体行政を一層遠い存在にしかねないものです。

 常任委員会性を中心とする紋別市議会にとって、現在3常任委員会各6人による委員会構成は、それ自体議会として審議を尽くす最低限の構成であり、これまでもその立場で、われら議員は審議に臨んできたはずです。

 財政問題についても、行政への監視機能や住民との結びつきを弱める立場ではなく、議員報酬、政務活動費、行政視察などのあり方を含めて総合的に検討すべきです。

 今、紋別市議会に必要なのは議会改革に向けた真剣な対応です。

 市民の中には、「議会は何をやっているのかわからない」「だから、議員を減らした方がいい」などとの声があることも事実です。それは、私たちにとって、実に悲しいことですし、悔しいことでもあります。

 なぜ、そのような声が上がるのか。私たちは今、真剣にそのことと向かい合うことが必要です。

 市民に役立つ議会、市民に見える議会、市民に開かれた議会。そのための議会改革こそ必要なのです。

 議会の果たすべき役割をしっかり議論し合い、確認し合う中でこそ、議員の定数はどうなるべきかが見えてくるのではないでしょうか。

 その本質的な議論を避けることなく取り組むことが、今の紋別市議会に求められている課題だと思います。

 残念ながら今回の提案は、この議論に及ぶことなく、拙速な感を否めません。これが、真に信頼に足る議会を求める市民の願いにこたえる道だとは思えません。」

 以上が、私の反対討論の主な内容です。

 これまでも、日本共産党市議団として議会改革に向けた提案を行ってきました。昨年には、21項目に及ぶ検討案も提出してきました。しかし、その多くは省かれたまま、議論は宙に浮いたままです。

 特に紋別市議会は、市民への情報公開がきわめて遅れています。すでに、多くの市町村で実施されているインターネットなどでの議会中継。これはなかなか議論にもなりません。

 議事録をホームページで公開していないのも、議会自ら「議会だより」を発行していないのも、紋別市議会ぐらいなものです。

 まずは、市議会の模様を市民に知らせ、市民に見える議会、市民に開かれた議会をつくることが最優先です。

 さらに、市民と議会との意見交換を積極的に開催し、市民の声を市政に届けるために、働く市議会でなければなりません。

 議会と議員はどうあるべきか。その議論を抜きに、定数だけをいくら減らしても議会は変わらない。活発で緊張感ある議会をつくるためにも、議会改革に本気で向き合うこと。「議会基本条例」の制定をめざして、道は険しいが、一歩一歩歩き続けよう。


 

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